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AMI blog

2018年05月21日

【会員専用 Weekly No.151】米金利上昇、何処まで耐えられるか

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  1. 米金利上昇、何処まで耐えられるか

  2. 中東、米中など不安材料多いが現状響かず

  3. 企業決算過去最高益も今期慎重予想スタート

 

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Weekly5月21日

米金利上昇、何処まで耐えられるか

米長期金利が静かに上昇している。17日の指標10年物国債利回りは一時3.122%(終値は3.1149%)で、11年7月(欧州のソブリン債危機時)以来の水準。30年債3.2504%。つい最近まで3%手前で揉み合っていたことから見ると、やや上昇ピッチが速い様にも見えるが、株式市場への影響は限定的(上値圧迫要因ではある)。ドル円を110円台に押し上げているが為替市場の波乱には至っていない。9日付でブルームバーグのコラムニストが「米10年債利回り4%見通しとは笑わせる、3%さえ困難」(マーク・カドモア氏)と投稿していた。すでに3%を超えてしまったが、5―30年債スプレッドが27bp程度まで縮まり(金曜日は31bpに拡大)、長短フラット化(ないしは逆転予想)観測が再び強まっていた。足元の上昇は明確な要因が説明できずに、「ファンダメンタルズよりテクニカル要因」と解説されている。

一つ考えられるのは米企業の海外資金の還流。少々古いが、2月の国際証券投資統計で、アイルランドの米国債保有高が135億ドル、過去最大の減少となった。12年以降、6倍の規模に保有高が膨らんでいたが、トランプ税制改革を受け、巨額現金の一部を米国に還流させているとの見方が出ていた(アイルランドの米国債保有高は3140億ドル、世界3位)。アップル、グーグル、マイクロソフト、ファイザーなどが同国に拠点を構え、優遇措置を受けて資金管理していると見られている。ところが、今回の決算では、一斉に海外保有現金の決算表示を止めた。15日発表の3月統計でアイルランドの状況は報道されていないが、租税回避のためアイルランドに拠点を置く米巨大企業は、米国債を現金化し、米国内に静かに資金還流を続けてている可能性はある。

もうひとつは、トランプ大統領が米中貿易交渉で悲観的な見方を出し、NAFTA交渉が決着せず、中東情勢不安定化で原油相場が上昇、加えて突然、北朝鮮が態度を翻したことなどが重なるなど、悲観論までには至らずとも、先行き不透明感が増したことをポジション調整要因と見る向き(中国などの米国債売りカードの連想)もあるが、今のところ後付け的印象だ。

問題は、市場(特に株式市場)が何処まで耐えられるか。「3%の壁」を静かに消化していると見ると、次の壁は「3.2-3.25%ライン」が想定される。年初来の各金融機関の金利見通しがこのラインに集中していたからだ。世界の主要企業は豊富な金融資産を持ち、昔のような金利圧迫は薄い。時間を掛けた金利上昇は十分消化できると見られるが、短期的変動が大きくなれば、株式や為替市場に波乱が広がるリスクがある。どちらにしろ、米FRBが利上げ継続姿勢を維持しているので、6月FOMCに向け、金利上昇圧力が続くと考えられる。