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AMI blog

2018年06月27日

【会員専用 Weekly No.154】市場を覆う貿易戦争懸念

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  1. 市場を覆う貿易戦争懸念

  2. 貿易戦争激化米中懸念で、世界同時株安

  3. ダウ銘柄から除外されるGE

 

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Weekly 6月25日

 

市場を覆う貿易戦争懸念

米中貿易摩擦について、ムニューシン米財務長官が沈黙を保っていることが話題になっている。当初の米中交渉で、妥協点を探る姿勢を示し、貿易戦争激化を回避したい姿勢を滲ませていた。中国側の劉鶴副首相も姿が見えず、妥協点を探るにも探れない状況だ。

21日は上海株が引けに掛け再び急落(終値は1.37%安の2875ポイント、下値メドは16年2月の2680ポイント台で後約200ポイント)。欧州でダイムラーが業績下方修正を発表(主に自動車高関税懸念)し、イタリア懸念も再燃するなど軟調な動きとなった。米政府は20日、「中国の経済的侵略がどのように米国と世界の技術と知的財産を脅かしているか」と題するレポートを発表した。従来の主張を具体的に報告するものだが、08年に中国が始めた海外ハイレベル人材誘致「千人計画」を槍玉に挙げている。また、ロイターも中国が打つ可能性のある対抗策をまとめている。既に発表した高関税対抗以外に、

1)輸入検査の厳格化・・・既に5月から米国製品の通関検査が厳しくなっていると伝えられる。過去に日本も受けたことがある嫌がらせの対応だが、他国製品に需要が流れるか注目されている。2)M&A阻止・・・米クアルコムによる蘭半導体NXPセミコンダクターの買収計画になかなか承認を出さない。ZTE制裁の見返りの一つとされているが、世界的に大型M&A阻害要因と見られている。

3)通貨安誘導・・・理論的には有り得るが、15年夏の人民元引き下げによるチャイナ・ショックが中国当局のトラウマと看做されている。20日の基準値は0.5%ほど元安水準に設定されたが、市場予想よりは元高水準。金融政策も緩和姿勢ながら慎重に運転している。

4)米国債売却・・・以前は度々取り沙汰されたが、今回不思議なぐらい駆け引きや思惑も出ていない。米証券投資による4月末保有残は1兆1820億ドルだが、売り始めた途端、中国の保有分も減価することになるからか。金融混乱米市場よりも中国の過剰債務を直撃すると見られているので、カードは切れないとの受け止め方。22日の日経新聞によると、中国で企業の債務不履行が増加(1-6月4000億円超、大きい規模ではないが16年の6850億円を上回るペース)、中国の1-5月対米直接投資はネットで78億ドルのマイナス(買収は18億ドル、前年比92%減、中国人投資家の米資産売却が96億ドルに膨らんだ)。中国の引き締め策の影響が大きいが、米国も貿易戦争の返り血を浴びると危惧され易い。

5)不買運動や禁輸措置・・・2000年代に日本も反日デモを受け、フィリピンのバナナ禁輸措置も話題となった。最近では韓国がTHAAD問題でボイコット影響を強く受けている。周辺国には通用しても、最強軍事力を持つ米国には通じないとの見方が一般的で、中国当局も共産党批判に転化するのを警戒していると見られている。

米中貿易戦争の行方は混沌としているが、中国が妥協点を模索(面従腹背の公算が大きいが)する流れとの受け止め方が底流にあると思われる。日本の5月輸出は前年同月比+8.1%、昨日はタイ中銀が金利を据え置くとともに18年経済成長率予測を4.4%に引き上げた(3カ月前4.1%)。日本企業の4-6月期の好業績につながる要素と見られ、中国懸念との綱引き要素になると思われる。