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2018年10月14日

【会員専用 Weekly No.169】リスク回避の売りが売りを呼ぶ

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  1. リスク回避の売りが売りを呼ぶ

  2. まだまだ続く不安心理の連鎖

  3. 対中国懸念は今週一つのヤマ場を迎える

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Weekly10月15日

リスク回避の売りが売りを呼ぶ

先週は世界の株式市場が大きく揺らいだ。その発端はNY株式市場だ。10日、80ドルほど下落して始まったNYダウの下落幅は結局831ドル安に達した。下落率は3.15%で、ハイテク株中心のナスダック指数が4.08%下落し、ダウ下落を上回った(16年6月24日のブレグジット以来の下落率)。明確な外的ショックでない株価暴落は理由を探すのに苦労するが、今の売買システムは短時間にシステム連鎖することが特徴だ。

一般的には「米金利上昇への警戒」や「米中貿易戦争激化懸念(中国経済崩壊懸念)」で説明されている。しかし、ニュースを拾ってみると以下の点が背景として考えられる。

1)忘れていたが「45日前ルール」の季節。ヘッジファンドの11月末ないし12月末決算の45日前に解約を通告するルールと言われている。最近のヘッジファンドの運用成績が芳しくなく、まとまった解約が出るのではないかとの噂が出ていた。期限は今週で、実際のところは不明だが、暴落した10日の米主力ハイテク株の下落が5~6%に達していることから、まとまった売りが出たとの憶測を呼びやすい。

2)米10年債利回り3.25%超えへの警戒感。前日、市場では3.5%まで許容する考えが出ていたが、依然として3.25%をボーダーラインとする見方が主流だった可能性。10日の米債市場は金利上昇となった訳ではないが、360億ドルの3年債入札、230億ドルの10年債入札で、応札倍率が低水準で先行きへの警戒感が高まった可能性がある。9月PPI(卸売物価指数)のコア指数が前月比+0.4%と1月以来の伸びとなり、企業収益圧迫懸念が強まったとも思われる。小売大手シアーズ(1960年代のトップ企業)の破産法申請準備報道が懸念心理を表面化させた公算がある。

3)その前々日の日本時間休み明け9日の東証システムトラブルは、メリルリンチ日本証券の顧客の高速売買業者の接続トラブルが原因とされているが、高速売買業者を中心に売り攻勢を掛けようとしていた可能性も疑われている。実際、その日の日経平均は341円安。翌日は落ち着いた動きだったが、NY株独歩高への警戒感を高めると同時に、10日の米市場でも売り攻勢が仕掛けられた疑いがある(中間選挙前の政治攻防との見方もない訳ではない)。

4)一種の軽いブラックマンデー構図があった。ブッラクマンデーを知らない投資家が多くなったが、1987年10月19日月曜、NYダウは1日で22.6%下落、その背景には、世界的な金利上昇懸念、同年2月のドル安に歯止めをしようとしたルーブル合意に反して西ドイツが利上げを敢行した(マルク高、ドル安)ことにある。このところ、ドイツ株が軟調で、10日のDAX指数は2.21%安、3月の安値を下回り年初来安値を更新した。ドイツ政府は5日、18-19年成長率見通しを下方修正(18年予想で従来の2.3%から1.7~1.8%へ)した。9月27日に発表された9月CPI(消費者物価指数)は前年比+2.2%でECB目標を上回り、スタッグフレーション懸念がある。ドイツ政情不安、ドイツ経済に中国懸念が強いこと、イタリア財政懸念などが圧迫している。欧米ギャップと言うより、米独ギャップが調整背景となった公算がある。

こうしたたいくつかの要因が重なったのだろうが、決定的なことは、ゴルディロックス相場(低金利、低インフレ下の経済成長)の終焉を迎えたということだろう。割高と言われた米株も本来のファンダメンタルズを注視していくだろうが、他の市場がどれだけ追随していくかは、警戒が必要になってくる。

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