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2018年11月12日

【会員専用 Weekly No.173】「ねじれ議会」での市場の見方

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  1. 「ねじれ議会」での市場の見方

  2. 今回のFOMC声明文はほぼ強気一色

  3. 選挙後の金融市場に影響を与えるイベント

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Weekly 11月12日

「ねじれ議会」での市場の見方

11月6日の米中間選挙は、事前予想通り共和党が上院の過半数を維持し、民主党が下院を奪取する「ねじれ議会」となり、サプライズはなかった。

そもそも事前に市場でいわれていたことは、米中間選挙後の株価のパフォーマンスは悪くないということだった。1970年以降、選挙当日から翌年末までのNYダウは全12回すべて上昇。平均上昇率は17.1%。これは、不透明感の後退や翌々年の大統領選に向けての政策(期待)が原動力とみられている。ただ、今回のように、選挙前に大統領及び上下院の多数政党が同じだった状況(共和党が両院で過半数)で、上下院のうち1つで与党が負けたケースは2010年の1回だけ。オバマ政権時で、下院において多数政党が民主党から共和党に入れ替わった。 このときも翌年末までみれば、NYダウは9.2%上昇しているが、翌年の7月から10月にかけて約18%の大幅調整を記録している。 当時、上下院で「ねじれ議会」では、政府債務上限の引き上げを巡り政権と議会が激しく対立。いったん財政健全化計画で合意したものの、不十分と判断され米国債が格下げ、米株も大幅安となった。

今回の中間選挙後の大方の見通しは、「第2次トランプラリー」は、短期間で終わる可能性があるというものだ。「ねじれ議会」では、追加減税などの政策は通りにくくなる。金利上昇は抑えられたとしても、株価を押し上げる力は弱まる可能性が大きい。内政の停滞をカバーするために外交・通商政策が過激になれば、日本への風当たりも強くなるというものだ。

一方、中間選挙での「ねじれ議会」は、世界の市場にとって最良の結果だったとみるストラテジストもいる(少数派だろうが)。JPモルガン・チェースのストラテジスト、マルコ・コラノビッチ氏が選挙直後のリポートで言及している。「ねじれ議会」の結果、貿易を巡る緊張が緩和され、年末に向けた相場上昇につながる可能性があると同氏はみているのだ。

上下両院とも共和党が維持するのが最良の結果だったと考えていた大方のアナリストらとは正反対の見方になる。同氏によると、トランプ政権の昨年の政策は親ビジネスだったが、今年は貿易戦争や保護主義など「強いアンチビジネス」政策になったと指摘。従って、共和党が勝利すれば貿易戦争の肯定、つまり「アンチビジネス」と見なされかねなかったと分析している。

トランプ大統領は議会に頼れずFRB(米連邦準備制度理事会)の緩和策にも期待できないとなると、「景気の勢いを維持するために自分の権限でできることをしなければならなくなる。つまり、景気にマイナスの貿易戦争をやめることになる」と同氏は記述している。選挙後のテレビ、新聞での解説は、トランプ大統領は、国内政策では下院の足かせで自由にはできないため、外交(貿易摩擦)で強硬姿勢を取るというのが、コンセンサスのようで、コラノビッチ氏の見方とまったく違うが、筆者はおそらく来年は同氏の見方が有望とみている。その理由は、10年続く米景気の拡大は、今までの関税引き上げの影響で来年も今の勢いを持続できるとは考えにくいからだ。国内景気対策にはインフラ投資しか見込めず、選挙前に述べた中間層への減税対策は「ねじれ議会」では無理と考える。景気減速感が見え始めると、貿易戦争どころではなくなるだろう。選挙が通過すれば、世界の市場は、企業業績とFRB(米連邦準備理事会)に再び注目が移る。この2つの要因は、必ずしも米株価が拡大する裏付けとはならないのは明らかだ。

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