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2018年12月05日

【会員専用 Weekly No.175】利上げ継続の慎重、パウエルFRB議長発言

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  1. 利上げ継続の慎重、パウエルFRB議長発言

  2. パウエル発言と日本株

  3. 議長発言でも米長期金利の高止まり

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Weekly 12月3日

利上げ継続の慎重、パウエルFRB議長発言

先週のハイライトは、パウエルFRB議長の発言だった。28日、エコノミック・クラブ・オブ・ニューヨークで講演し、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標は「米経済成長を加速も減速もしない、経済にとって中立となる水準の幅広い推定レンジをわずかに下回っている」と発言した。10月での同議長の発言は、政策金利は中立金利から「程遠い」としたが、今回の講演で政策金利はFRBが予想する中立金利を「若干下回る」と発言したのだ。これは、FRBの利上げサイクルは予想より早く終了する可能性を示唆したと市場は受け取った。この発言で、NYダウは617ドル高、2.5%上昇、S&P500種は2.3%、ナスダックは2.95%上昇して終了。終値としてはほぼ2週間ぶりの水準となった。米国債も上昇し(金利低下)、2年債利回りは一時2.79%と、パウエル議長講演前の2.84%から低下した。10年債は株価上昇もあって3.05%と前日比変わらずで終了した。

中立金利とは、景気に対して中立的(景気を刺激もしなければ、抑制もしない)な実質金利の水準のこと。政策金利は、中立金利+インフレ率とされており、例えば、FRBの政策金利の目標が3%で、インフレ率が2%なら、中立金利は1%となる。これは、景気を刺激も抑制もしないとされる短期金利の水準であり、FRBの金融政策を決定する際に重要視される。一般に名目利子率から期待インフレ率を差し引いた実質金利が中立金利を下回ると景気が刺激され、逆に上回ると景気が冷やされる。

この日、パウエル議長の発言後、来年の利上げが1回にとどまるとの見方が強まったが、12月の利上げに関してはこれまでの予想通り、0.25ポイントの利上げを行うものと受け止められた。ただ来年については、何回の利上げが必要となりそうと議長が考えているのか、ほとんど手掛かりは得られなかった。議長は、その時々の経済指標に応じて動く必要があるとの従来の見解を繰り返している。

このところの米経済指標のまだら模様から、経済成長鈍化や対中通商対立を巡る不透明さを背景に、投資家はパウエル議長講演の前の時点で既に、FRBが予想している来年3回の利上げが実施されるかどうか懐疑的になっていた。

この日の米株式相場は一段高となった。ただ、これが投資家を2カ月間悩ませてきた低迷する株価に終止符を打つのか、ウォール街ではまだ見方が分かれている。

金利は中立金利まで「程遠い」から、中立を「若干下回る」という表現に変化したのは180度の方向転換に近いとみる市場関係者は多い。2か月前から株価指数は10%超下落しており、調整入りと言われていた。その背景には2つの大きな懸念があった。対中貿易と米金融当局がデータに影響されずにやみくもに利上げを推進することを巡る懸念だ。これらの懸念の1つが取り除かれることは相場底入れの期待感が出てきたが、まだ予断は許さない。

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