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2019年09月30日

【会員専用 Weekly No.214】中国経済のICU入り、統制強化へ

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  1. 中国経済のICU入り、統制強化へ

  2. アチコチで事件攪乱も

  3. 欧州はドイツ中心に景気減速、財政出動期待の強弱観

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Weekly 9月30日

【中国経済のICU入り、統制強化へ】

中国のカリスマ経営者の引退は、アリババの馬雲(ジャック・マー)氏だけではなかった。テンセントの馬化騰氏、レノボの柳伝志氏、アントフィナンシャルの井賢棟氏などが、形態はことなるが、続々と実質引退を余儀なくされていると言う。名目は「社内の事情」だが、馬雲氏の派手な引退セレモニーの10日後に、浙江省杭州市政府が100人の官僚を「政務事務代表」として、アリババ、ハイクビジョン、吉利など100の重点民営企業に常駐させると発表したことで、急速に「共産党による直接支配」が始まったと受け止められている。

この記事はフリーの記者で中国問題を専門としている福嶋香織記者の記事。それによると、今や中国経済は「ICU(集中治療室)入り」と陰口を叩かれている。英FT紙によると、伏線として、金融会社の顧客ローンデータの政府への提供拒否の攻防があったと言う。昨年、アリペイ(支付宝)に対して、顧客勘定の100%を中銀準備金とするよう義務付けた。アリペイの収益源である余剰資金運用を政府管理下に置く動きだった。国有資産管理委員会が、アリババとテンセントに「中央企業と民営企業の融合」を命じたとも伝わった。山西省太原市では民間企業の財務管理部門の接収、北京市では民間企業内の「党建設工作」展開状況調査が開始されていると言う。

いずれも、習近平の「混合企業改革」と言われるもの。民間の腐敗や野放図な経営を共産党が管理・指導する名目だが、実質的に国有企業を大規模化し、市場独占する流れ。場合によっては民間企業の資産接収が行われる。改革開放期の「国退民進」の逆流が行われ、中国企業の活力が著しく低下すると危惧されている。

余談だが、この問題を筆者はフランスのエコノミストに質問してみたが、あまり気にしているようでもなかった。中国政府はコア企業にしか関心を示しておらず、政府の監視が全体にまで行き渡るものではないと説明してくれた。

「中国のテスラ」と呼ばれた上海尉来汽車(NIO)が24日発表した4-6月期決算で約500億円の赤字に陥り、株価は一時28%急落。「中国のデトロイト」と呼ばれた重慶市の自動車産業集積地の稼働率は70%とも伝えられる。100社を超える企業が破綻危機にあるが、「統制経済」で資本主義市場のドミノ倒産には至らないとも言われる。建国70周年の国威発揚で、北京新空港の完成を祝った(もう一つの大型案件の浩吉鉄道開通は石炭輸送鉄道と呼ばれるせいか、宣伝していない)が、習近平の改革は中国経済の「ICU化」を進めている。

また、韓国・ハンファケミカルの200億円のサムライ債発行断念が韓国経済を揺らしている。事情はよく分からないが、日韓対立の余波と受け止められている。ドル建て債などでの調達に向かうとされるが、条件は大幅に厳しくなろう。この後、来年にかけ6社がサムライ債の満期償還を迎えると言う。ハンファケミカルも満期償還の借換債計画だったので、資金が回るかどうか一気に緊張が走っている。相互投資も止まっており、韓国市場で存在感の大きい邦銀ソウル支店の動きに注目が集まっていると言う。韓国金融も「ICU入り」寸前の状況にある様だ。

27日、トランプ政権は米証券取引所に上場している中国株(ADR,米預託証券)の上場廃止を検討しているという報道で、この日のNYダウは下落した。おそらく検討は初期段階かもしれないが、10月10-11日の米中閣僚会議にも影響を与え、週明け30日の上海株にも影響を与える可能性が高い。したがって、週明けの日本株は上海株を見ながらの動きとなるだろう。

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