News & Topics

News & Topics

2020年04月20日

【会員専用 Weekly No.235】米国の対中制裁論

会員様専用レポートです。

このレポートが、皆さんの資産運用の一助になれば幸いです。

■■------------------------------------------------------------------------------------------------■■

  1. 米国の対中制裁論

  2. 一律10万円支給に転換、株価より為替に効くか

  3. 素朴な疑問とロックダウン緩和方向

 

■■------------------------------------------------------------------------------------------------■■

 

 

Weekly 4月20日

 

[米国の対中制裁論]

日本時間17日早朝トランプ大統領は経済再開の指針を発表した。当然、感染・死亡者拡大動向がカギとなるが、経済再開が議論されている過程で中国の責任を巡る議論の動向も注目された。その中で、マーシャ・ブラックバーン共和党上院議員がFOX TVで3つの提案を行っている。同議員はテネシー州選出で、政権移行チームからトランプ政権に参画する。中国の情報隠蔽など非協力姿勢を厳しく糾弾する。

提案は三つ。第1は、上院で中国が非を認め責任を負うべきとの決議を行う、第2は、中国に米国債を放棄するよう依頼する、第3は、製薬関連の製造拠点を米国内に戻す。1は罹患したジョンソン首相の英国を筆頭に欧州勢も加担する可能性がある。米国内の反対論はほとんど見られないであろう。3は、既に日本も動いている。医薬品原料や7割依存のマスク、医療関連器材の国産回帰を財政支援する施策を緊急対策に盛り込み、推進している。後発品製造拠点のインドも原体・中間体の約7割を中国に依存(武漢はビタミン製造拠点)する構造の是正方針を打ち出している。医薬・医療関連から脱中国が加速する可能性がある。

問題は2。金融規律を無視した議論に、「だからドルや米国債暴落論が無くならない」との批判の声が上がる。計算上では中国は1.1兆ドルの米国債を保有し、20年度見込み3.8兆ドルの米財政赤字(超党派組織CRFBの試算)を一部ファイナンスすることになる。債権債務の基本を理解していない低レベル議論とする向きもあるが、米国には「国際緊急経済権限法」(IEEPA)がある。安全保障、外交、経済に対する異例かつ重大な脅威に対し、非常事態宣言後、金融制裁にて脅威に対処する。外国組織もしくは外国人の資産没収、外国為替取引・通貨および有価証券の輸出入の規制・禁止を定めている。施行は1977年、ドル暴落論が約40年間に度々出るなかで、抑止機能を持っていたと考えられる。

それを意識してか、中国は、ウイルス起源は米国説を取り上げたり、不良品の多さに批判を招きながら支援をする国の姿勢を進め、米国との「第一段階合意」推進を強調したり(第1四半期の米農産物輸入は50.5億ドル、前年比110%増。豚肉輸入が640%増で突出)している。反面、軍事的示威行動を止めず、台湾を巡る駆け引き、南・東シナ海を巡る攻防が激しくなっている。経済苦境が戦争を招くとの古代からの論も燻る。

日本株は上に行くも下に振れるも米国次第の側面が大きい。経済被害が露わになるにつれ、政治的攻防が激化、目まぐるしい展開の一要素になると考えられる。

PAGETOP