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2020年05月10日

【会員専用 Weekly No.238】封鎖解除の攻防と政府批判

会員様専用レポートです。

このレポートが、皆さんの資産運用の一助になれば幸いです。

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  1. 封鎖解除の攻防と政府批判

  2. 玉虫色の中国情勢

  3. コロナ後の成長見通しが始まる

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Weekly5月11日

 

[封鎖解除の攻防と政府批判]

連休中の日経平均先物は19000円を下回らずに戻ってきた。「緊急事態宣言」の延長自体は連休前に織り込んでいたと思われるので、実勢悪の表面化と制限緩和に伴う回復ピッチを睨みながらの攻防になりそうだ。注目の米雇用情勢は大恐慌以来というひどい数字だったが、金融市場では織り込み済みで反応はなかった。企業業績は今期予想が見送られるので、業績を投影できるのは、4~6月期決算発表の7月後半以降と考えられる。それまでは不安定な動きを想定。

回復に向けての動きは大阪府が先導役になる公算がある。政府の専門家会議が数値基準を示せなかったのに対し、数理学者高橋洋一氏の指導で3基準を提示した。数値そのものは終わってみないと評価できないが、緩和の動きに対し、文句の出難い仕組みを作ったと思われる。建設工事再開などの動きが出ており、事実上、再開が何処まで広がるか焦点に。

一連の議論、政府批判の背景には大きく二つの要素があると考える。一つはいわゆる省庁の垣根問題。端的に、生物兵器なら自衛隊、生物テロは警察、感染症は厚労省と別れるそうだ。統合した国家危機対策本部を作れば良いと思うが、そういう体制には至らず、強いリーダーシップを発揮できないまま来た。経済を含めて国を守るにはどうするか、精力的な議論が必要だ。今回のコロナウイルスで、しばしば例示される韓国や台湾は準戦時下にある。また、トランプ政権を中心に対中制裁が強まると見られ、国全体の対処姿勢が問われることになる。無策は許されない。

もう一つは、医療体制の問題。今までは医療費抑制一本鎗の議論で、感染症対策は欠落、医療費をどう削減するかの議論ばかりだった。民主党時代に国際感染症研究予算は事業仕分けの対象だったし、都知事は元厚労相もいたが戦後の結核体制のママだった。大阪維新も都構想の成果として、保健所の集約化・削減を進めていた。

厚労省はPCR検査の基準を引き下げた。いまさらという感じ。また2週間ほど前に厚労省の専門家チームの一員である北大の西浦教授が実効再生産数(感染者1人が何人感染させるか)なる数値を持ち出した。記憶では直近で全国0.7人、東京0.5人であった。そしてGW中iPs細胞の山中教授が計算したところ、大阪0.6人、東京は検体数が不明のため計算できなかったそうだ。そもそも実効再生産数の公式について厚労省、並びに西浦教授は説明していないはず。計算式がわからないので、評価は難しいと思うのは私だけか。

大阪が規制解除の条件を数値で表した翌日、政府も14日にそれを示すといい、8日には東京も検体数を発表した(都と区のコミュニケーションが悪いため出なかった)。これを見る限り、政府と専門家チーム、厚労省、東京都いずれも信頼がおけないことがはっきりした。

私の持論は、専門家が出てくると、かえってややこしくなる。これが現代社会のリスクの特徴である。今回は最初から専門家の発言は信用していなかった。また、情緒的なセリフを連発する安倍首相と小池都知事もそうだ。ただし腹をくくった自治体のトップの言動だけは信じていた。なお、吉村府知事は海外で早くもポスト安倍の候補の一人になっている。

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