News & Topics

News & Topics

2020年08月31日

【会員専用 Weekly No.253】FRB、インフレ目標引き上げの新戦略と攻めるM&Aがカギ

会員様専用レポートです。

このレポートが、皆さんの資産運用の一助になれば幸いです。

■■------------------------------------------------------------------------------------------------■■

  1. 【安倍首相退陣を表明、急速な円高へ】

  2. 【FRB、インフレ目標引き上げの新戦略と攻めるM&Aがカギ】

  3. 【米株上昇止まらず、資金集中構図か】

  4. 【NYダウ銘柄入れ替えト米中協議】

■■------------------------------------------------------------------------------------------------■■

 

Weekly 8月31日

【安倍首相退陣を表明、急速な円高へ】

安倍退陣のニュースを受けて28日の外国為替市場で円はドルに対して一時1.3%上昇。政治的な不透明性を警戒し、日本勢は安全性を求めて円買いを急いだ。欧州のトレーダーやアナリストは次期首相が財政・金融政策を劇的に引き締める公算は小さいとし、国内政情よりドルの動向が円相場の行方を決定しそうだと見ている。

欧州のトレーダーによると、日本の投資家や企業は安倍首相の発表を前に資金を国内に還流させた。正式発表後は、月末特有の資金の動きがドルを圧迫する中で、短期的なトレーダーも円ロングに加わったという。

リスクに対する条件反射的な動きはよくあることで、いずれ落ち着くだろう。短期間で円のボラティリティが低下するようなら、また、狭いレンジの動きに移行すると考える。

【FRB、インフレ目標引き上げの新戦略と攻めるM&Aがカギ】

例年、秋相場の入り口で注目されるジャクソンホール会合(カンザスシティー連銀主催の国際金融シンポジウム)が開催された。米FRBが新方針を打ち出すとの下馬評だったが、直後の反応は限定的だった。27日のパウエル議長の発言より、FRB研究チームが「新型コロナの経済的影響、終息後も米経済成長への悪影響は想定よりも大幅に長期化する」との見解が目を惹いた。

FRBは全員一致で「インフレ率が一時的に2%を上回ることを容認し、長期的に平均2%の目標達成を目指す。最大雇用の確保を図る」方針を示した。ただ、FRBは物価目標を12年以降達成できておらず、雇用も足踏み状況(木曜日発表の週間新規失業保険申請件数は100.6万件、前週の110.4万件から減少したが減少が加速したとは言えず、高止まり観)にある。金融政策云々より、コロナ感染状況次第の印象がある。

市場には、もう少し過激な緩和期待(ゼロ金利+ドル安)があったので、やや巻き戻しの動きとなった。米10年物国債利回りは一時0.7423%、6月19日以来の水準。30年債は1.5102%と1.5%台を回復、2年債は0.1602%で長短スプレッドは拡大した。パウエル議長が短期的な金融政策に言及しなかったことに失望感と伝えられている。投機筋が勝手に期待し、勝手にコケルパターンと思われる。発表直後はドル安だったようだが、その後ドル強含み展開。

やや驚きの材料は、売却を命じられている短編動画投稿アプリ・TikTokの米事業買収に小売大手ウォールマートが名乗りを上げたニュース。マイクロソフトと組んでの話だが(両社はクラウド、AIなどで5か年契約を結んでいる)、一両日中に独占交渉に入るとしている。ライバルはオラクル。ウォールマート株は一時6%高(終値は4.5%高、マイクロソフト2.5%高でNYダウを押し上げたと見られる)。

一般的に超金融緩和局面で、ユトリのある企業ほど資金調達は容易になる。苦しい企業はリストラや事業見直しに走るので、M&Aが活発化すると見られている。単純に案件が増えているかどうかだけでなく、事業再構築、新しい局面に入ると言った革新ムードが強まるかどうかがポイントだ。

従来から、日米株式市場の活況感の差に「M&Aの差」が指摘されることがあったが、現状でもムードの差(海外資金流入差)があると思われる。日本市場でも、最近、シンガポール財閥の日本ペイント買収、米資産運用大手ブラックロックによる武田薬品の大衆薬事業買収などがある。10月6日には旧東芝メモリのキオクシアHDの新規上場がアナウンスされた(米ベインキャピタルの成功事例)。活発感が広がるか注目される。これも一般論だが、通常、買収価格は何割か時価上乗せとなる。売り方にとっては、一気に持って行かれる材料。基準はPBR(株価純資産倍率)で、日経平均ベースで現在1.1倍。これが1.2倍となると日経平均試算値は2万5300円程度となる。日経平均が22000~23500円ゾーンを破り、25000円を目指すシナリオの一つとなろう。安倍退陣は株式市場ではすでに織り込んでおり、次期首相に注目が集まるだろうが、日本市場にとって重要なことは米大統領選の結果だろう。

PAGETOP