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2021年02月01日

【Weekly No.270】市場の慢心感で波乱。空中戦乱高下

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  1. 【市場の慢心感で波乱。空中戦乱高下】
  2. 【不規則チャイナマネー】
  3. 【政治リスクは重石か】

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Weekly 21

 

【市場の慢心感で波乱。空中戦乱高下】

27日米株は11月の大統領選後、最大の下落となった。NYダウ633ドル安、2.04%の下落。ナスダックは2.6%下落した。同日終了したFOMCと言うより、ゲームストップ株などの暴騰株波乱によるヘッジファンドポジション調整が主因と見られ、決算が市場予想を下回ったテスラ株、さらに仮想通貨市場急落など、「バブルの芽」と見られた部分に下落が広がり、全体相場に波及した。

ゲームストップはテレビゲームの小売店チェーン。オンライン販売に押され、業績不振銘柄として、大量の空売りを飲み込んでいた。昨夏に4ドル台で低迷していた株価が年初から急騰、一時323ドルと80倍、昨日も200ドル前後の乱高下だったようだ。

ゲームストップ株だけでなく、映画館大手AMCエンターテインメント株などに広がっ

ている。窮地のヘッジファンドが手持ちポジションを売らざるを得なくなり、大幅調整相場になったと見られる。ブルームバーグによると「空売り筋は個人投資家軍団から歴史的な総攻撃を受けている」。

詳細は不明だが、26日から米東部で通信量急増に伴うブロードバンドのインターネット障害が発生したもようで、通信大手ベライゾンなどに苦情が殺到と伝えられた。障害のピークは過ぎたようだが、市場心理に影響を与えた可能性がある。結局1日おいて29日もNYダウ620ドル安、これで1月のNYダウ、S&P500はマイナスとなった(ナスダックはプラス)、波乱の月末だった。27日、IMFが発表した国際金融安定性報告書(GFSR)で、「金融市場には『慢心感』が出ており、急激な調整が入るリスクが存在している」と警告したことも市場心理に影響した可能性がある。

27日のFOMC結果は、ほぼ予想通りだったが、声明文で回復ペース鈍化に言及したことで長期金利が低下、景気回復シナリオがやや後退した。世界的にワクチン供給が混乱・遅れており、その面も気重い材料になった公算がある。アップルやフェイスブックは市場予想を上回る決算を発表したが、市場ムードに押される展開となった。

元々、全体相場はファンダメンタルズと乖離した状況にある。ポジション的には売り買い交錯する状態にある。一般的には乱高下の後は小康化、日柄整理過程に入る。波乱の持続性を含め、押し目を待っている待機勢の出方がカギになると見られる。

 28日のNYダウは300ドル高だったが、ゲームストップ株などの波乱は終わっていないと思ったが、昔風に言えば「低位ボロ株仕手相場」。個人投資家層にコアがある訳ではなさそうで、移ろいやすい。ゲームストップ株は投資家が集まるSNSサイト「ウォールストリートベッツ」の一時非公開化で急落。再開後も乱高下している様だ。SNSサイトは「レディット」で、そのチャットルームが「ウォールストリートベッツ」と名付けられている。27日遅くには、銀相場が取り上げられ、銀現物、銀ETF、銀鉱山株が急騰した。急騰した銘柄を空売りする投資家も交錯し、目まぐるしい展開が続きそうだ。

27日のNY ダウ急落を受けて28日の東証空売り比率は一気に50.2%に撥ね上がった。上昇時の値幅が出易いのは空売り筋が買い戻す局面と考えられ、売り残が溜まる方向になるのか、直ぐに解消の動きになるのか注目される。

品薄の時間外取引で、一時この日のNYダウは3万ドル割れ場面があったが、持ち直した。早めに押し目買いの動きになった要因として、1)序盤戦ながら、米企業決算で市場予想を上振れするケースが8割方を占める。2)米週間新規失業保険件数が84.7万件、前週の91.4万件、市場予想87.5万件を下回った。3)バイデン追加対策は1.2兆ドルに圧縮されるとの見方があるが、来週、議会が審議入り。4IMFが昨年末時点で世界のコロナ対策総額は138750億ドル(約1445兆円)と発表。5)米GDP速報は、二極化のK字型回復だが、製造業と住宅投資牽引を確認。6)ワクチン混乱続くが、インドが新型コロナ抑制を宣言。累計感染者数1070万人、死亡者15.4千人規模、米国に次ぐ2位だが、全国718地域のうち146地域で1週間感染ゼロとなった。7)独CPI(消費者物価指数)1月が前年比+1.6%(市場予想+0.5%)。期限終了で付加価値税引き上げ、最低賃金引上げ、エネルギー価格上昇などが背景。「インフレの入り口」とレポートされた。などが押し目買い意欲を高めた可能性が考えられる。

 

 

【不規則チャイナマネー】

26日の海外市場は、米ロ首脳電話会談実施でロシア懸念の欧州市場は落ち着いたが、その前に香港市場が波乱となり、韓国、ベトナム、インドネシアなどが2%前後の急落となった。香港ハンセン指数は月曜日が2.4%の急騰、火曜日は一転2.55%の急落、つれて上海総合指数も1.51%の下落。

朝方、中国人民銀行が公開市場操作(オペ)で、差引780億元(約1兆2500億円)の予想外の資金吸収を行った。翌日物レポ金利が2.6890%(その後2.72%)と1911月以来の水準に撥ね上がった。人民銀貨幣政策委員が「中国が雇用の伸びとインフレ管理に焦点を移さなければ、株式・不動産など資産バブルのリスクが残る」と警告したと伝えられ、バブル抑制の一環と見られる。中国は15年夏のチャイナショックを招いた以降、コマメにバブルの芽を摘み取る姿勢を続けていると考えられる。もっとも、全体価格を下げられない不動産市場、正確な所は分からない在庫、賄賂経済でのアングラマネーなど、構造自体がバブル構造と見られるが。

そのバブル構造を示す驚くべき数値が明らかとなった。26日、米調査会社ロジウム・グ

ループがまとめた報告書を米中関係全国委員会(NCUSCR)が公表した。それによると、米投資家が保有する中国企業の株式、債券は20年末時点で12000億ドル、公式統計の5倍の規模。一方、中国による米証券保有額は同21000億ドル、公式データを36%上回った。何故、こういうことが起こるのか。相違の大部分は「複雑な法的枠組みを利用してタックスヘイブンから発行する」、「中国当局の規制を回避しようとする努力」、「香港を介しての株式相互投資」などとした。賄賂マネーや不正蓄財自体も巨額だ。

ロジウムのディレクターは「指導者が米中経済の分裂を進めて行けば、あらゆる種類の人が多くのものを失うことになる」と述べ、ウォール街の反トランプ・トランプ降ろしの狙いの一端を示したと受け止められる。同時に、金融規制が相互に緩和されれば、証券投資規模は現在の3兆ドルから9兆ドル超へ拡大するとの予想を示した。バイデン政権は中国金融市場の開放、資本自由化のトレンドに圧力を掛けるものと想定される。

ただし、チャイナマネーは過熱を伴いやすい。GS、シティなど米金融大手は「一部に持続不可能な行き過ぎ」が見られると警告し始めており、目まぐるしい攻防要因となりそうだ。バイデン政権の対中姿勢は今のところ玉虫色だが、どの部分から緩めて来るか注目される。

一早く「プラス成長」の中国経済依存が強まると見られるが、日本企業としては「如何に騙されないか」が経営の課題になると考えられる。

 

【政治リスクは重石か】

1980年代の日本のバブル相場は竹下内閣の混乱(リクルート事件、消費税創設、19896月に退陣)の下で進行していた印象があるので、政治リスクがどの程度株式相場に影響するのか分からないが、政治混乱懸念で調整するのは、ある意味「健全性」を示すのかも知れない。

27日からの米株の急落前に週明け25日の海外相場は欧州が下落した。下落率は独1.66%、伊1.60%、仏1.57%、スペイン1.73%など。ストックス欧州600指数は0.8%下落、15日以来の低水準で年初の上昇を吐き出した格好。コロナ禍や相対的な景況感の弱さは以前からなので、週末のロシア混乱を嫌気した可能性が考えられる。野党指導者ナワリヌイ氏の解放を求める運動は31日にも予定されており、EUに対ロ制裁強化を求める声が強まる公算がある。欧米の株価指数は1月の騰落率がマイナスになっている指数も見られる。2月に回復できるか非常に重要な時期になってきた。

 

 

 

 

 

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