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2021年03月15日

【Weekly No.276】NYダウ、ふわふわ上がる

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  1. NYダウ、ふわふわ上がる
  2. ドル建て日経平均の急降下
  3. 中国側、バイデン宥和期待滲む

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Weekly 315

 【NYダウ、ふわふわ上がる】

先週の米株で印象的だったのが、NYダウがプラス、ナスダックはマイナスという日が3回あったことだ。NYダウの上昇は、VIX指数の低下と連動していると見られる。米株バブル崩壊論に合わせ、下落に備えたポジション(ダウ先物・オプション売り+恐怖指数VIX買い)の解消の動きが牽引役と見られ、グロース株売り+バリュー株買いの「ローテンション相場」が加わっているためと考えられる。先々週4日のVIX指数は28.57だったが、NYダウ上昇とともに、12日は20.98に低下。ちなみにこの日の欧州VSTOXX18.71,日経VI22.01と先進国の市場は安定感を増してきた。米株式の売り方はVIX指数買いを組み合わせるので、株価切り返しの原動力は、売り方の買い戻しだったと思われる。今まで、この買い戻しエネルギーが株価高値更新の原動力だった、すなわち何度も痛い目に遭ってきたので、早めの買い戻しになった印象がある。ナスダックが下げたときは、米10年債利回りが上昇したときで、金利上昇を嫌うハイテク株が中心のナスダックはまだ本格的な回復感が見られない。

パウエルFRB議長、イエレン財務長官(前FRB議長)が揃って、金利上昇容認姿勢発言を行っている。イエレン発言の骨子は、「長期債利回りの上昇はインフレ懸念の高まりでなく、市場参加者がより強い景気回復を期待している兆し」、「FRBの長期インフレ目標の2%を上回って物価が上昇すると市場が見込んでいるとは思わない」、「2月雇用統計より早いペースでの雇用増が必要」、「バイデン1.9兆ドル追加対策で、来年央までには完全雇用に到達できる」など(5日)。パウエルFRB議長も同趣旨の発言を行っており、先週は市場の勝手な暴走は幾分抑えられているように思われる。

FOMC(金融政策を決める会合)は今週16~17日、12日に大統領署名を終えた1.9兆ドル対策(部分手直し)は週末にも給付が開始、失業給付上乗せ期限も9月まで延長。大型財政出動は金利上昇要因だが、FRBは金利上昇を一時的要因と見ている可能性がある。一つは住宅ローン担保証券(MBS)のヘッジ売り。ヘッジが進めば、万が一の時のリスクが減る。もう一つは、昨年41日施行、331日に期限を迎える「補完的レバレッジ比率(SLR)規制の一時緩和」。リーマン後、総資産2500億ドル以上の銀行に適用していた規制で、資産に応じて一定比率の資本を保有することを義務付けた。この措置で、総額1兆ドル規模の資金がGAFA株や国債に向かったとされ、パンデミック危機から脱出した。延長とも何とも報道は出ていないので、FOMCでの焦点の一つと考えられる。余談だが、日本は撤収するのがヘタクソだが、米国は上手い。

FRBの思惑を覆すリスクは、67ドル台/バレルに高進してきた原油相場、5日に報じられた中国の引き締め策などが考えられる。中国は昨年の危機時に先行的に資金供給を行い、「事業融資名目の大規模な資金が不動産、株式市場に流れ込んだ」。その回収を急ぐよう、銀行に融資圧縮を指示したと言う。また、FTSEラッセルは中国スマホメーカー・小米(シャオミ)を312日からグローバル指数と中国株指数から除外すると発表。中国株、中国企業排除の動きが思わぬ波乱を招かないか注意が要る。また、12日の香港ハンセン指数は645ポイント安、2.2%の下落となったが、これは、中国外務省報道官が12日、米国に対し、香港問題など内政への干渉を止めるよう改めて求めたことで 米中関係の動向に敏感に反応し、ハンセン指数は3週間前に付けた最高値から23%下落している。

 

【ドル建て日経平均の急降下】

円ベースの日経平均が下落し、ドル高円安が進行すると、ドル建て日経平均の下落が大きくなる。8日の終値は265.18ドル、ピークは216日の288.79ドル、下落率8.2%。この水準は129日の264.77ドル以来。数字的には押し目狙いが入る水準でもあったため、その後円建て日経平均は持ち直している。一方、NT倍率(日経平均÷TOPIX)は15.18倍、112日の15.16倍以来に急低下。一部値嵩株による日経平均押し上げ相場が終焉する方向にある印象。ただ、12日日経平均506円高で再びNT倍率は少し上昇し15.23。元々、妥当と見られる水準は決められないが、整理未了イメージがあれば調整要因になろう。

 OECD(経済協力開発機構)は9日、世界経済見通しを今年5.6%(12月時点4.2%)、来年4.0%(同3.7%)に上方修正した。米国は今年6.5%(3.2%)、来年4.0%(3.5%)、今年の中国は7.8%だが、欧州3.9%、日本2.7%と比べ、回復期待が強い。これに加えて、インフレ観などに差があり、日米株の差が広がる、つまりギャップ感が拡大する可能性がある。それがドル高円安要因となれば、日本経済にも安心感が出ると思われるが。

 

【中国側、バイデン宥和期待滲む】

全人代最終日の11日、上海総合指数は+2.36%、香港ハンセン指数+1.65%と強い動きだった。「国家隊」(北京政府の意向を受けたファンド群)が頑張ったのかなと思っていたら、夕刻、ロイターとブルムバーグが相次ぎ、「米中の半導体団体が合同作業部会設置」と報じた。中国半導体産業協会(CSIA)が発表したもので、双方10社ずつが参加すると言う。年2回会合を持ち、知的財産権、通商政策、暗号化などについて協議するとしているが、詳細は不明、米半導体工業会(SIA)はコメントしていない。米市場でも反応は見られていない。

ただ、中国半導体大手SMIC(中芯国際集成電路製造)が一時12%高、華虹半導体が14%高、ハンセン・テック株指数が5.2%高と急伸。期待の大きさを示したと思われる。中国2月の販売動向で、スマホが前年同月比236.6%増の2130万台(191490万台も上回る)、自動車販売が同365%増の146万台(585%増の新エネ車11万台含む)と驚異的な数値が発表された。中国経済の回復力が示されたと評価される一方、「半導体不足」が懸念材料と伝えられた。内情として、米国のハイテク規制の殻を破らないと、経済の先行き懸念が強まると、相当の危機感があるものと思われる。

米通商代表部(USTR)は、今月末に失効する中国製医療製品(マスク、手袋、血圧計など99品目)の関税除外措置を9月末まで延長した。一方、ファーウェイ(華為技術)の一部サプライヤー向け輸出の許可条件を今週から厳格化すると非公開情報として伝えられた。バイデン政権は今のところ、トランプ貿易・安保制裁を維持する姿勢を取っている。

全人代最終日、香港選挙制度改革に関する決定をほぼ全会一致で承認した。英、米を中心に民主派弾圧との批判を強めており、新5ヵ年計画では、「米国と競う研究開発費」など、強権化路線を変えていない。ただ、李克強首相は「米国とは共通の利益と多くの分野で協力できる」と期待を滲ませた。中国が習強硬路線と宥和路線を使い分けしようとしている感がなくもないが、経済事情から「中国の本音」との見方もある。

市場は次の4-6月相場を睨んだ材料探しに移行して行くものと想定される。この先日米の2+2会合、米高官韓国訪問、アンカレッジでの米中高官協議など、アジア情勢を睨んだ協議が予定され、方向感を探る時間帯に入る。また、半導体不足、テキサス寒波などで露呈した電力危機などへの対応策、SDGsやESG投資と言った大枠の各論(小泉環境大臣のコンビニ弁当スプーンなど有料化は本末転倒的な話が)探しなどが考えられる。

今週18日のアンカレッジ高官協議で、何処まで宥和姿勢が進展するのか注目される。15-16日のFOMCでの金融政策と合わせ、当面の二大テーマと考えられる。

 

 

 

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