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2021年04月12日

【Weekly No.280】ナスダック、高値まで後1.4%に戻る

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  1. ナスダック、高値まで後1.4%に戻る
  2. 事象変化早くGAFA高値更新
  3. 欧州寒波、感染増など圧迫要因リスク

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Weekly 4月12

 【ナスダック、高値まで後1.4%に戻る】

8日の米市場は、10年物国債利回りが低下(前日の1.65%台から1.62%。326日以来)、株価はS&P500指数が4097ポイントと最高値を更新、高値更新中のNYダウやS&P500 に対し出遅れ気味のナスダックは1.03%上昇の13829ポイントと7週ぶりの高値、翌9日には13900ポイントを付け212日の最高値まで後1.4%に迫った。高値更新有無が当面の焦点と考えられる。

週間新規失業保険申請件数は74.4万件、前週の72.8万件、市場予想68万件より悪化した。景気回復ペースに懸念が出るかと思ったが、金利低下で良い所取りの観がなくもない。前日に「2月の求人件数が2年ぶりの高水準に増加」と報じられ、悪化は一時的との見方と見られる。求人件数宇の内訳で、ヘルスケア145万件、宿泊・食品サービス76.1万件、小売81.7万件とコロナ打撃セクターが戻ってきていることが米国の特徴。

米国のバイデンインフラ計画の原資である増税は市場にとって大きな関心を呼んでいる。5日、イエレン財務長官が呼び掛けた「法人税に世界的な最低税率設定」は、概ね主要国・機関が賛同した。タックスヘイブンや低課税国への税収流出を防ぐ狙いで、25%程度の最低税率を意識しているとされる(トランプ政権で対策を打ち始めていたが、税率は10.5%にとどまっていた)。

7日、米財務省は報告書を発表。イエレン長官は「企業が投資や利益を国外に移すインセンティブを排除」すると強調した。10年間で約2兆ドルの企業利益を取り戻せると主張し、連邦政府歳入は7000億ドルほど増えると試算した。「税収減が道路、橋、ブロードバンド、研究開発などに投じる資金の低迷を招いた。労働者のスキル、インフラ強靭さで競うことを怠ってきた」と、バイデンインフラ計画の必要性を訴えた。

過去30年に及ぶ法人税引き下げ競争に終止符を打つことは、無形資産(医薬品特許、ソフトウェア、知財権ロイヤリティーなど)所得に影響が大きいと受け止められ、GAFAなどハイテク株、医薬品株などの売り材料とされてきたが、OECDが世界の法人税収増を500~800億ドルとの見立てを示したことで、各社別の影響は限定的との見方に変わったようだ。

また、イエレン長官は8日、主要国に大幅な財政出動を呼び掛けた。コロナ危機で所得格差拡大傾向への対処必要、気候変動問題に強力な国際協力が必要、など。例のごとく、仏が賛同姿勢、独が消極姿勢の反応だが、来週の日米首脳会談でも議題に上るか注目される。

なお、景気回復がK字型と呼ばれるが、物価上昇もK字型と見られるようになっている。

 

【事象変化早くGAFA高値更新】

連休明け(前週金曜日は聖金曜日で市場は休場)の5日の米株市場では、GAFA(米国の主要IT企業であるグーグル(Google)、アマゾン(Amazon) 、フェイスブック(Facebook)、アップル(Apple)の4社の総称)株の高値更新が目立った。先々週末の雇用統計を受けた楽観論の広がりで、決算シーズン入り前に、好業績期待が広がったものと思われる。GAFAなどハイテク大手・グロース(成長)株の先々週までの調整要因に、金利上昇、法人増税、解体論まで出る独禁法規制強化、半導体不足などによる混乱懸念などが挙げられていたが、懸念が薄らぐとともに、今週からの米企業決算前に期待が先行していると受け止められる。リフィニティブのデータで、S&P500ベースの第1四半期利益予想は前年同期比24.2%増。

経済紙バロンズが「成長マシン」と評したフェイスブック、OS著作権訴訟でオラクルに勝訴したグーグル(アルファベット)などが3-4%高で牽引し、終値ベースの最高値更新基調となった。3月米ISM非製造業指数が過去最高となったことも支援した。ただ、GAFAやナスダック市場が停滞してきた要因には、バイデン政権のGAFA解体姿勢がある。ホワイトハウス、司法省、FTC(連邦取引委員会)、FCC(連邦通信委員会)の規制組織に次々と独占排除、巨大企業解体論者が登用されており、機関投資家のGAFA株持ち過ぎには修正が入りやすい。綱引き構図にあると見て置きたい。

 6日、クレディ・スイスは「アルケゴス」関連損失44億スイスフラン(約5200億円)を第1四半期決算に計上すると発表した。減配、自社株買い停止、幹部更迭なども発表した。また「ヘッジファンドへの融資条件厳格化」と報じられた。市場ではブロック取引の観測も出たようだが、アルケゴス連鎖懸念は消えているようだ。

とはいえ依然として、アルケゴス関連損失の全容は把握されておらず、第二、第三のアルケゴスが発生するのかも不明。加えて、クレディ・スイスは破綻したグリーン・シル関連ファンド(100億ドル規模)の処理も抱える。「損失を顧客に転嫁の方向に傾いている」(ブルームバーグ)とも伝えられるが、それはそれで(プロと見られる)投資家に損失が広がるリスクがある(既に31億ドル相当は返還)。

先週の東京市場の下落は、こういった調整要因の反映か、単なるオプションSQ前の攻防だったのか、判然としないが、前者なら慎重スタンス、後者なら一過性要因と考えられる。  

米債利回り上昇に一服感が出て、米株も売り買い交錯場面と思われる。金利上昇やドル高などに景気早期回復期待感の行き過ぎがあり、ある意味当然の調整と考えられる。米市場は規模が大きく、アルケゴス関連などの調整は飲み込まれる印象がある。前述したように810年債利回りは1.62%、1か月ぶり低水準。新年度入りでの日本の投資家の買いの話題も出たようだ。

米景気の一つのブレーキ要因と見られる半導体不足で、米自動車業界団体(日本メーカー含む)は5日、「生産への影響が後6か月続き、生産台数が128万台減少する恐れがある」と米政府に支援要請した。バイデン政権は12日に自動車、半導体業界と協議を行う予定で、2兆ドルインフラ計画から500億ドルを国内生産回帰に振り向ける(従来計画は370億ドル)意向と伝えられるが、足元の状況改善には程遠い。目先、増産の動きが広がるか注目される。

いわゆる高値揉み合い相場が予想されるなか、「アクティブ運用者(アクティブ運用とは、目安となる指数(ベンチマーク)を上回る成績を目指す運用スタイル。日本株なら日経平均やTOPIXを上回る運用を目指す)の春到来-ストックピッカー相場で外れなし」(ブルームバーグ)と、指数連動(パッシブ運用、ベンチマークに連動する)相場の優位が揺らいでいるとの見方が出ている。また、「ヘッジファンドはリフレ取引に乗らず、景気に慎重な姿勢を断固維持」と、一部ファンドの独自運用が奏功していることも背景。アクティブ運用見直しなら約10年ぶりと言われる現象で、全体上昇ピッチは鈍るが、市場の活況感は維持されると考えられる。

 

【欧州寒波、感染増など圧迫要因リスク】

何となく寒いなぁと思っていたら、欧州が激変していると言う。3月末の20℃台後半の気温から、北欧などは氷点下、30℃以上の気温変化に見舞われている様だ。2月の米大寒波と同様、「北極渦南下」と説明されている。時節柄、農産物への影響が懸念されている。スエズ運河の影響もあって、物流混乱も懸念視されている。

コロナ感染上位30か国中、14か国で4月に入って感染者数、一部で死者数が激増している。主な国は、ブラジル、インド、トルコ、ペルー、ウクライナ、イラン、アルゼンチンなど経済不振国が中心。ブラジルで8300万人以上、インドで2200万人以上とワクチン投与が進展しているが、今のところ効果は見られない。今のところ、致死率は横ばいないし若干低下しているので、変異株による感染力増強と見られているようだが、欧米に伝播するリスクがある。

なお、ワクチンについて、欧州医薬品庁がアストラゼネカ・ワクチンについて、脳血栓症の発症との関連性は「明白」と表明した。症例は少なく、「恩恵はリスクを上回る」としているが、効果乏しいと見られる中国ワクチンとともに警戒的に見られる可能性がある。共同開発者のオックスフォード大は17歳以下の若年層治験を中断した。

連休明け7日の香港ハンセン指数は0.91%下落。上海総合指数の0.10%下落に対し弱さが目立った。「独禁法問題」のテンセントが3.75%下落、レノボ・グループ(連想集団)も4.07%下落など、ハンセン・テック指数1.37%安が主因。逮捕されている民主派が次々と有罪認定を受けており、香港の国際金融市場としての地位が沈み始めた印象を受ける。2月の高値からは8%強安い水準。

中国はウイグル人権問題での制裁、来年の北京五輪ボイコット論台頭などに神経質になっている印象を受ける。先週、習主席-メルケル独首相電話会談、「EUが独立して正しい判断を下すことを望んでいる」と習主席が表明(中国側発表)。日本に対しても中国側から外相電話協議、日本の施策に注文増、圧力を掛けている。中国も焦り感が目立ってきた点は注意を要しよう。

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