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2021年07月26日

【Weekly No.295】いよいよ東京五輪、当面の基調は決算ラリー

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  1. いよいよ東京五輪、当面の基調は決算ラリー
  2. インフレ壊れる。一時、原油暴落、米金利1.2%割れ
  3. 感染拡大などで期待感修正続く

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Weekly 726

【いよいよ東京五輪、当面の基調は決算ラリー】

これでもかと云う位、トラブル続きの東京五輪が始まった。海外の目線は冷ややかだが、灼熱下、無事乗り切れるかどうかが、まず焦点になる。それに加えて、下記の点に目配りして置きたい。

1964年の東京五輪に中国は参加しなかったが、初の核実験を行った。リオ五輪時には尖閣に300隻の漁船が押し寄せた。今回は大量参加者を送り、来年に北京五輪を控えるので、異常行動は取らないと思われるが、主張を強める行動に注意したい。

・欧州で、ワクチン先進国でのコロナ感染が急増している。上位3か国はマルタ(接種率84%)、英国(67%)、オランダ(67%)。7月の感染者数グラフは棒立ち状態にある。対照的に、下位3ヵ国、ウクライナ(5%)、ベラルーシ(7%)、ボスニアヘルツェゴビナ(9%)の感染者数は低位横ばいとなっている。反ワクチン的な議論は封じ込められているのでよく分からないが、相関性を指摘する声が燻る。五輪はワクチン接種者の集まりのようになるので、感染爆発リスクは残る。ワクチン懐疑(感染抑制はできない)と治療薬期待の綱引き構図になる可能性がある。株価にも何等かの影響が出てくるかも。

・五輪後の9月から解散総選挙を巡り、国内政局が一気に動く。補正予算編成論議も焦点になるが、永田町の夏休みは自民党の暑い夏になる可能性がある(やや閉塞感を打破してもらいたいとの願望的)。次期首相候補として、衆院鞍替え攻防の林芳正参院議員、萩生田文科相、岸防衛相の動静に注目したい。

日本の連休前20日の海外市場は、米株先物から切り返した印象だ。前日の19日にはNYダウ725ドル安だっただけに、翌20日は買い戻しエネルギーの売り残が溜まった分けではなさそうだが、行き過ぎ修正は早い。ちなみに19日の世界同時株安はインド型コロナの感染拡大を嫌気したもので、指標米10年物国債利回りは一時1.128%まで低下した後、1.22%まで急上昇するなど目線が定まらない乱高下となった。

好調な企業決算が手掛かりで、景気悲観論も修正された様だ。20日のS&P500種の上昇率は1.52%、3月以来の大幅上昇。ロイターによるとS&P500構成企業56社が発表し、91%がコンセンサス予想を上回る状況。

新たな動きは、半導体不足に「改善の動き」が見られるとした点。レモンド米商務長官が半導体製造企業、サプライヤー、自動車メーカーなどの会合を精力的に開催し、相互不信の解消に貢献し、実際に供給が増え始め、逼迫感が和らいで来ている様だ。19日、半導体受託生産のグローバルファウンドリーズがNY州本社近くに第2工場建設を発表。カリフォルニア州から移転したばかりだが、他社の生産拡大計画に追随したもの。筆頭株主のUAE系政府ファンド・ムバダの方針はIPO推進と伝えられるが、インテルによる買収思惑が再燃する公算もある。他にも、台湾の6月輸出受注が予想上回る前年同月比31.1%増、半導体関連企業の好決算などがあり、株式市場に活力を与える動きと思われる。

米市場では先週週初、IBMが好決算を発表し時間外取引で3%高。日本ではキヤノンの今12月期業績予想の大幅上方修正が発表されており、選別的ながら決算ラリーが期待されていたが、23日には好決算を映してNYダウは初めて35000ドル台に乗せ、S&P500 とナスダックはともに史上最高値を更新した。

欧州では恐る恐る感はあるが、イギリスが規制全面解除に踏み切り、今のところ感染急増の割には死者が増加していない(国によって事情は異なる。一般的にウイルスの感染力増強は弱毒化を伴うともいわれている)ことなどから、景気回復期待が盛り返す可能性はある。  

また、欧州では金融緩和基調自体は継続される見込みだ。日本株も今週から五輪横目に決算ラリー(株価上昇)が本格化するものと考えられる。ちなみに日本株は先週2営業日休場だったが、その間シカゴの日経平均先物は取引されている。23日のシカゴ日経平均先物は20日の国内の日経平均先物大証比620円高の28,180円で終わっている。連休直前の日経平均の終値は27,548円。

 

【インフレ壊れる。一時、原油暴落、米金利1.2%割れ 】

既に、高騰していた木材価格が年初の水準に下落するなど、商品市況高に一巡感があったが、週明けは原油価格が5ドル暴落するなどインフレ観が急速に萎んだ。久々に売り方が跋扈している可能性もあるが、動きが速く、「ヘッジファンドなど動きの速い投資家も不意を突かれている」(ブルームバーグ)。日本株は五輪4連休を控えていたため、見送りムードが強かったが、海外情勢で目まぐるしい展開になっている。

18日のOPECプラス会合で、「協調減産を8月から12月まで毎月40万バレル/日ずつ縮小する」ことで合意。対立していたサウジとUAEが合意したことで原油相場は週明けのアジア時間から軟調だったが、欧米時間で下げ足を速めた。WTI先物8月限は5.39ドル(7.5%)安の66.42ドル/バレル。CRB商品先物指数は3.29%安。つれて米10年債利回りは一時、1.176%と1.2%割れ(2月以来)、30年債は一時1.812%、2年債は0.208%。231月の利上げ確率は100%から70%に急低下した。

急変の大きな背景としては、「デルタ株」感染拡大懸念に加え、19日、中国国家発展改革委が「コモディティー(商品)価格の監視を強化し、銅、アルミ、亜鉛の備蓄を引き続き放出していく」と表明したことにある。中国国務院は中小企業を苦境に追い込む商品市況高抑制に注力している。

19日日経平均は350円安だったが、その日本株に影響したのは、香港ハンセン指数の1.839%下落。香港市場に上場する不動産開発大手中国恒大集団株が16%暴落(電気自動車の子会社は19%安)したことが主因。かねてから経営不安説が流れていたが、週末に裁判所が同社オフショア部門が持つ銀行預金の凍結を承認(13日だったそうだ)したことが伝わったことが要因。25年償還ドル建て債(表面利率8.75%)は額面1ドルに対し58.7セントに暴落していると言う。

中国ではデフォルトしても直ぐに倒産しないが、香港問題もあり、広州拠点の有力企業の経営が傾くことで、習政権が推進してきた「グレートベイエリア(大湾岸区)」構想の失速感が強まると思われる。

 

【感染拡大などで期待感修正続く】

16日、米金融大手BofA(バンカメ)は今年の米GDP成長率予想を従来の7%から6.5%に引き下げた。経済成長とインフレのピークが過ぎたとのコメント。22年予想は5.5%。中国に続き、今年の二大経済牽引国の経済回復スピードが調整されている。ただ、インフレ抑制とともに、やや行き過ぎた景気回復期待が修正されていると受け止められる。それに伴ったポジション修正が市場を圧迫する展開。

世界的に感染が再急拡大している。米7万人超、英5万人超、アジアではインドネシア、タイ、ベトナム、マレーシア、ミャンマーなど。一般的にはインド発「デルタ株」の蔓延と説明されているが、ワクチン接種拡大との関連性、経済・社会活動拡大の影響、ウイルスの変異スピードとの相関など、様々な議論がある。ただ、「反ワクチン」議論はデマとして封じ込められており、何が正しいのか不透明感が強い。

欧米の事例には中国製ワクチンは入っていないが、東南アジアでは中国製も使われており、効果どころか有害との批判の対象になっている。感染スピードが速いマレーシアはワクチン接種拡大のグラフと重なる。日本ではワクチン接種との因果関係は議論されていないが、事例の一つと見られているのが、感染最少県の鳥取県での感染急増。ただ、1月の2名しか死者は出ておらず、感染者数を基準にすること自体に無理がある。病床使用率も0で、PCR検査の歪さを示唆する可能性がある。

フランスが12日に「健康パス」(ワクチン接種かPCR検査陰性証明)の強制化を発表したことで、激しい反対運動を招いているが、従来の「ワクチン接種が進めば全て開放される」との楽観論は「ワクチン接種が進んでも様々な規制が続く」との見方に修正されてきていることも「ワクチン期待」の修正要因と考えられる。日本はオリンピック開始で、感染爆発を強く警戒されているものと思われる。

先週週初の、もう一つの調整要因は、16日、バイデン政権が米企業に対し、香港で事業を展開するリスクについて警告する文書を発表したことと見られる。投資縮小や撤退を命じるものではないが、「香港で直面するリスクに大手金融機関などが真剣に向き合っていない」との警告。仮に香港から撤退すれば、中国は外国制裁法などを使ってくると見られ、中国市場からの全面撤退につながる恐れがある。日欧企業もおそらく同様の動きになると思われる。同時に、チャイナ・マネーの萎縮が進んでいるものと思われる。香港政府高官7人が新たに制裁対象に追加された。五輪が始まった後の動きを見極めつつ、月末に掛けての持ち直し展開を想定する。

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