News & Topics

News & Topics

2021年09月06日

【Weekly No.300】菅首相退陣で株価急騰も持続性は?

会員様専用レポートです。

このレポートが、皆様の資産運用の一助になれば幸いです。

※期間限定で、パスワード不要で全文お読み頂けます。

■■------------------------------------------------------------------------------------------------■■

  1. 菅首相退陣で株価急騰も持続性は?
  2. 政局、一気にザワツク、中国の出方注視
  3. 米株、秋の陣、波乱懸念抱えたまま走り続けられるか
  4. 米雇用統計発表、景況感修正攻防
  5. 情勢は複層だが、反転相場の出足は順調

■■------------------------------------------------------------------------------------------------■■

Weekly 96

【菅首相退陣で株価急騰も持続性は?】

3日菅義偉首相が退陣する方向となり、金融市場では午後から日本株が大幅高となった。日経平均は上げ幅が一時前日比600円を超えて29100円台に乗せたほか、TOPIX2015.45ポイントと1991418日以来、実に約30年ぶりの高値を付けた(TOPIXの史上最高値は891218日の2884.80。日経平均は同年1229日の38915円)。それに対し円相場と長期金利は小幅な反応だった。

退陣発表後に続々と名乗りを上げた候補者が出ているが、どの顔ぶれを見ても、今の日本が抱える「後進国病」から立ち直る処方箋を描ける政治家は見当たらない。したがって、3日の菅総理退陣による株価高騰は短命に終わると思っている。ただ、菅氏退陣によって総選挙で与党が壊滅的な敗北は回避されるだろう(野党にとって痛い!)。

 3日の午後の株価急騰を見ていると、市場参加者は岸田氏か高市氏を望んでいるとみている。前日までは菅氏と岸田氏一騎打ちの状態となっていたが、菅氏の総裁選への不出馬表明後、高市氏の総裁就任の確率は確実に上がったと思っている。高市氏の経済政策へのスタンスは明確で、アベノミクスよりもさらに強力な財政出動を行うと言われており、基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化目標の棚上げにも言及している。退陣発表後に名乗り出た候補者からの経済政策は見えてこない(多分、菅さん同様にないと思う)。3日の上昇相場は高市氏を期待する動きも含まれているのではないか。

 ただ、一つ懸念もある。長期政権の後は短命政権が続いたのが日本の政治の系譜であり、これから脱炭素や、安全保障、デジタルなど重要なテーマが国際社会で議論される中、日本が出遅れないか大いなる不安がある。

 

【政局、一気にザワツク、中国の出方注視】

先週の日本株は連日上昇、週間騰落率は日経平均が5.38%の上昇、TOPIX4.49%の上昇だった。エッ、二階さんってそんなに株価にとって重石だったのと言う位、31日後場から日本株が動意付いた(この日の日経平均は300円高)。二階さんの幹事長辞任の話だ。報道自体は朝から出ていたが、NHKなど昼のニュースに反応した印象だ。この時点でポスト二階の幹事長を巡る噂が中心(総裁選辞退の下村氏、AAAの一角甘利氏などの名が出ているようだ)。 ただ、前日夜から、「役員人事刷新、内閣一部改造で、菅総理は9月中旬に解散・総選挙に打って出て、総裁選を先送りする」(毎日新聞)との見方が広まっていた。ただし、翌日からはそれを封じ込める攻防が一挙に噴出し総裁選前の総選挙はなくなった。同時にここから菅総理退任の流れができたようだ。

二階氏辞任の報道があった31日は713日以来の東証空売り比率は39.5%40%割れ(前日は44.8%)、日経VIX指数(恐怖指数)は30日の18.02から16.90に急低下、米国の16.48(欧州18.77)に迫る勢い。二階氏辞任の話で何らかのショートポジションが解消(買戻し)されたものと見られる。

親中派の親玉、二階幹事長解任で中国の出方が注目される。11月に第19期中央委員会第6回総会(6中総会)開催決定と報じられ、「習文革」、「共同富裕」路線は一段と強まると見られる。対外資では、「半導体設計の英アーム(ソフトバンクがNVIDIA4.2兆円で売却予定だが英当局の反対で止まっている)が係争中の中国合弁会社から独立を通告され、一部ライセンスや中国内顧客を乗っ取られた」と報じられた。外資の中国合弁事業は乗っ取られる可能性が出て来た。また、成都の米商工会議所が活動停止を通告された。北京本拠の在中国米商工会議所とは別組織だが、日本企業を守る組織はなくなると見ておいた方がよい。

 

【米株、秋の陣、波乱懸念抱えたまま走り続けられるか】

リーマン・ショックやブラックマンデーで波乱イメージのある秋相場に移行する。思いついたまま、順不同で米市場の波乱要素を探ると以下の点が挙げられる。

・連邦債務上限問題・・10月上旬ヤマ場。危機感薄いがイエレン財務長官警告。

・テーパリング開始できるか・・9FOMC焦点(8月の雇用統計の結果で11月のFOMCに注目)。早くて12月開始?

・冬場に向け、コロナ爆発の可能性有無探る・・以前の経済封鎖レベルに至らなければ影響は限定的?変異株など世界的な情勢注視。

・住宅市場ピークアウト・・「家賃不払い」期限終了問題も絡む

・シェール産業は復活するのかしないのか・・原油相場はインフレ観を左右

・個人消費は失速しないか、雇用ミスマッチ問題は?・・金融政策の見方目まぐるしく

・アフガンに続き、バイデン外交失敗はあるか・・健康問題も絡む?

・対中対話路線・・ケリー9月訪中皮切りも、中国は「習文革」まっしぐら。ゲームも映画もダメに。ハリウッドはどうするのだろう。

・ドル高・・テーパリング副産物。米国と言うより新興国・G20での破綻リスク注意。

GAFA規制強化・・分割された方が株式市場には好ましい?

引き続き、コロナ、中国情勢、テーパリングが三大課題と考えられるが、ここに来ての最高値更新基調で、いわゆる高所恐怖症が強まっている。適度な調整を交えた方が長持ちイメージであろうか。米株揉み合い日欧に資金回る、が好ましい。

日本株は米株動向に加え、菅首相辞任でも政治情勢が大きな要因となる。9月末自民総裁選、10月以降総選挙の日程が固まってきたが、「刷新ムード」を出せるかが焦点。ドイツも秋の選挙が焦点。メルケル時代が終焉する。中長期の機関投資家のリバランスを誘う展開になるか注目される。

 

【米雇用統計発表、景況感修正攻防】

地下鉄に濁流、多数の車が水没、何処の中国かと思ったらNY市だった。7月のドイツ・ベルギー(200人以上死亡)、8月の中国(鄭州市など)など大規模豪雨・水害が世界を襲っている。7-9月期景況観にダメージを与える一因だろう。

米労働省が3日発表した8月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比235000人増と、市場予想の728000人増を大きく下回る伸びとなった。

雇用者数が予想を大幅に下回ったことは悪材料だが、これでFRB(米連邦準備理事会)がテーパリング(量的緩和の縮小)の時期を遅らせることになるだろう。テーパリングの発表は9月ではなく11月になり、開始はおそらく今年の終わりか来年の初めになるだろう。今回の雇用統計で市場が予想していた10月のテーパリング開始はなくなったと考えられる。

 

【情勢は複層だが、反転相場の出足は順調】

9月のTOPIX1980.79で始まったが、3月の2013.71はまだ遠いと思われていた。ただ、印象としては、米株に続き最高値更新基調に入れるか、胸突き八丁に差し掛かっていると感じていた。ところが、前述したように日本の政局で一気に3月高値を抜いてきた。820日をボトムに妙に底堅くなっている上海・香港株動向も日本株上昇の要因と思われる。

1日財務省発表の法人企業統計は設備投資が5四半期ぶりのプラスとなった。4-6月の統計で古いが、8日発表の4-6月期GDP2次速報の押し上げ要因と見られる。金融を除く設備投資は前年同期比+5.3%、季調済み前期比で+3.2%。全産業ベースの売上高は前年同期比+10.4%、経常利益は+93.9%。これは企業業績で相当程度織り込んでいると見られるので、設備投資の持続が焦点。機械株、電気機器などに見直し要因と考えられる。

消費関連では、Amazonの越境ECサイトで、中国業者の大規模締め出しが話題。アカウント閉鎖の事業者は5万店、販売損失額は約1.7兆円規模と見られている。Amazonは「不正レビューのため」としている。

PAGETOP