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2021年09月20日

【Weekly No.302】日本政治の追い風

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  1. 日本政治の追い風
  2. 米株調整を睨みつつ、日本株シフト持続問う
  3. 中国恒大危機ヤマ場、危機深まるか注視

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Weekly 920

【日本政治の追い風】

13日発表のNHKの世論調査で、自民党支持率は前回比4.2ポイント上昇の37.6%、菅内閣支持率は横ばい圏の30%。青木率(政党支持率+内閣支持率。50%を割ると政権の危機とされる)は持ち直した(先月に一部の調査で50%台前半に低下していた)。新総裁は誰がなっても内閣支持率40%以上に持ち直すと見られるため、「総選挙で自民党は負けない」との見方になる。菅首相の再選不出馬表明以降の劇的変化が裏付けられた格好だ。投票まで10日、メディアの取り上げは自民総裁選中心が続くので、野党は出番のない状況を余儀なくされよう。

政策論議が深まって来た。中国拳法や海警法まで読み込んで政策を論ずる高市氏に引き摺られた面がある。河野氏が原発ゼロなどの持論を軌道修正、岸田氏は外人記者クラブの講演で、「人権問題を重視、人権担当の補佐官設置」、「敵基地攻撃能力は有力な選択肢」など。とにかく、人権問題に甘いと批判されて来た日本政府の対応変化が期待され、人権問題を重視する欧州投資家からは見れば日本株を買いやすくなる。

総裁選の行方は混沌としている。世論調査では河野氏優勢だが、政治手腕に対する批判的な声も強まっている。積極姿勢に転換、イメージ払拭中の岸田氏だが、まだ世論調査で20%を超えたことがない。総裁候補としては無名に近かった高市氏はネットで急上昇中ながら逆転まで持って行けるか依然未知数。背景に、派閥の流動化がある。まとめてカウントできるのは岸田派だけで、若手が会を結成したり、石破派の7人が河野支持表明(したがって石破氏の出馬は断念)、二階派の少なくとも3名が高市氏支持表明など。派閥政治を批判していたメディアが派閥でカウントするので、予想も当てにならない。しかし、野田氏を新たに加え候補者は男女2人ずつで、ある意味自民党の多様性を示唆している。

市場では早くも、○○関連と言った物色が始まっているようだ。脱炭素・再生エネ関連、DX関連、サイバーセキュリティー関連、医療関連などだが、照準が定まったものではない。短期ラリーの応酬と見て置きたい。ただし、金融・財政を柱とする相場から、技術革新や産業構造変革を柱(金融緩和策は横ばいから緩和打ち止め移行が前提)とする相場への移行局面と位置付けられる。

 余談だが、常に疑問に思っていることがある。マスコミは「石破氏、河野氏、進次郎氏を国民的に人気のある」と紹介するが、本当に人気があるの?と思ったりする。個人的な意見だが、この3氏は「口先だけ」と思っている。発信力だけが優れており(たいして中身はない)、多分リーダーにしたら、エライことになると確信している。本当に政治のリーダーとして国民的な人気があるとしたら、日本人の民度を疑ってしまう。

 

【米株調整を睨みつつ、日本株シフト持続問う】

絶妙?のタイミングでSBIによる新生銀行TOBのニュースが出た。10日のメジャーSQ通過後の13日の市場で金融株主導の上げとなった(この日TOPIX+1.29%に対し、証券・商品+2.91%,その他金融+2.31%、銀行+1.61%)。M&Aはケースバイケースだが、連日のようにニュースが出ており、企業経営積極化、牽いては日本経済活性化、企業価値見直し(一般的に低PBR)などから株高材料と受け止められる。資本移動がなくとも、ホンダーGM、三菱商事-アマゾンなどの協業も類似の展開になることが多い。

米中電話首脳会談が約7か月ぶりに実施され、「競争が紛争につながることを回避する必要性について協議」、「打ち解けた、率直な」会談とされた事を米市場は好感した。習主席はこの後、メルケル独首相とも電話会談を行った。中国側の発表では「EUによる正しい対中政策を推進するよう促した」。8月の中国自動車販売は前年同月比17.8%減。半導体不足が要因に挙げられているが、中国経済の息切れ感が強まっており、何等かの打開策模索に転換したのか注目される。このところ、習側近の「習文革」への批判姿勢も出始めている。

先々週からさえない動きを見せている米株の先週の騰落率はNYダウでー0.06%だが、S&P500指数は—0.57%(日経平均は+0.39%TOPIXは+0.41%)。先々週の大手金融機関による「米株アンダーウェイト」が響いているのか、材料が悪い方に受け止められる地合いになっているようだ。8PPI(卸売物価指数)は前年同月比+8.3%、7月の+7.8%、市場予想+8.2%を上回り、11年ぶりの高い伸び。需要増と言うより、サプライチェーン混乱の影響が色濃く、スタグフレーション懸念につながっている。米10年債利回りは1.36%台まで上昇しているが、7月中旬以降の1.1271.423%のレンジ内の動き。

今週21~22日にFOMC(連邦公開市場委員会)が開催される。10日付WSJ紙が「FOMC11月のテーパリング(資産購入縮小)開始に向け準備、9月の合意目指す」と報じたことも株価の気重たさにつながった可能性がある。さらに、後述する中国恒大集団の資金繰り悪化も米市場で燻っており、投資家心理を測る指標である米株の変動性指数(VIX、別名恐怖指数)は17日前日比11%高の20台後半と、不安心理が高まった状態とされる20を上回って週を終えた。

バイデン大統領の「ワクチン接種義務化」方針に反発の声が強い。米国の接種率は頭打ち(河野ワクチン担当大臣は米国を追い抜くと胸を張ったが、何故米国が伸び悩んでいるのか、ワクチン情報を正しく提供すべきであろう)、ブラウン大学などが「ファイザーワクチン、接種半年後に抗体量が84%減少」と発表し、ブースター接種が議論となっている。感染者数増大下にあり、「接種義務化」は経済停滞要因との受け止め方。日本株の相対的な見直し地合いが続くと想定されるが、米株の波乱程度に左右されよう。

 

【中国恒大危機ヤマ場、危機深まるか注視】

14日、経営危機に陥っている中国恒大集団が、香港取引所への声明で「不動産販売の大幅減少が続き、流動性やキャッシュフローが一段と悪化する可能性が高い」との見通しを示した。上海市場で社債は一時売買停止、香港市場で株価は12%急落、深センの本社には数百人が理財商品などの返済を求めて押し掛ける騒ぎとなった。

負債額19700億元(3050億ドル)、資金繰りのための手形発行だけで9兆円規模にあるとされる。中国の大企業はデフォルトしても直ぐに倒産処理にならない場合があるが、同業他社にもリスク懸念が広がっている。

14日の上海総合指数は-1.42%、香港ハンセン指数は-1.21%。ハンセン不動産株指数は-2.2%、金融株指数-1.5%。中国市場は来週3連休、101日からの国慶節大型連休を控える。期待を集めていた観光関連なども大きく下げた。

世界経済にどういった経済連鎖となるかの議論はまだ出ていない。13日にレポートを発表した米ゴールドマンサックスは「中国は投資可能-業界締め付けは長期的ダメージを与えず」としたが、テクノロジー関連や学習塾業界などへの言及に止まる。中国経済膨張の土台となって来た不動産バブル崩壊の影響は不透明。習政権の転覆にまで至るのかどうか、江沢民派・上海閥企業の集中的打撃に止まるのか、手探りの状況が続こう。ただ、「不安は短命」と比較的楽観論のJPモルガンが、日本株の買い増し推奨(菅首相退陣は自民党の安定に道を拓く)したのが目立った。

中国恒大集団(不動産開発会社)は、20日の支払いが不能状態と伝えられる。韓国などは中国恒大を「中国版リーマン・ショックか」と騒いでいるが、15日発表の1~8月中国不動産投資は前年同期比+10.9%(1~7月の+12.7%から鈍化)、不動産販売(床面積ベース)は同+15.9%。新築着工(同)は-3.2%と減速してきているが、破滅的な状況ではなさそうだ。8月に政府主導で住宅購入規制、転売価格上限規制などを導入したのは北京市など主要20都市以上に及ぶ。中国恒大はこれにより流動性逼迫のダメージを受けたとされる(もっと前から行き詰まっていたと思うが)。加速度的に悪化するのか注視すべき。

16日時点の東京市場の前週比業種別騰落率(TOPIX0.07%と横ばい)を見ると、下落率1位は不動産-3.30%、次いで証券・商品-2.27%、情報・通信-2.15%。コロナ禍もあって、不動産イメージの悪化か、チャイナ・マネー流出懸念か、対中投資失敗懸念か、などがイメージされる展開。9月第2週の海外投資家の日本株買いは、現物3010億円、先物7576億円、合計1586億円。10日のメジャーSQの要因もあると思われるが、やや先物主導色。9月第1週の現物買い3669億円、先物2955億円と合わせてみると、週2~3千億円ペースの海外投資家の買い越しが続くかどうかが焦点と考えられる。中国情勢はその大きな要因の一つになると考えられる。

16日遅く、中国商務省はTPP(環太平洋連携協定)加入申請を行ったと発表した。事務局のNZに提出し、中国商務相とNZ貿易・輸出振興相が電話会談したとされる。TPPを主導する日本にも水面下で打診があったと思われるが、豪州との貿易摩擦、カナダとのファーウェイ幹部逮捕を巡る摩擦などを考えると、加入へのハードルは一段と高くなっていると思われる。

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