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2021年11月01日

【Weekly No.308】東証空売り比率急伸、何等かのポジション調整圧力か

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  1. 東証空売り比率急伸、何等かのポジション調整圧力か
  2. インフレ圧力の差が影響か、米長短金利差縮小
  3. 郵政値決め通過、日本生命の目線

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Weekly111

【東証空売り比率急伸、何等かのポジション調整圧力か】

28日日経平均は278円安だったが、この日の東証空売り比率は54.2%に跳ね上がり、東証一部出来高は22億株、通常出来高の倍に膨らんだ。異常数値の割に市場変動は限定的で、大規模クロス商いの雰囲気。この日はTOPIXの浮動株比率変更に伴う商いが膨らんだようだ。また、推測だが月末を控え、何等かのポジション調整が行われたようで、COP26を前に、エネルギー関連株を中心に行われて来た大規模ポジション調整の最終場面(米国は+0.04%に持ち直したが、石油・石炭が日本はー.3.29%、欧州は-2.63%と日本が突出)、27日に著名ヘッジファンドが過去最悪の-20%下落(昨年は+44%。10月だけで-11%)と伝えられ、未知のファンドの手仕舞いが発生した可能性やコロナ感染が一部で爆発的な動きとなり、早めにポジション解消の動きが出ているのでは、などが類推される。VIX指数(ボラティリティ、または恐怖指数)はほとんど動いておらず、市場の見方が大きく変化したと言うより、個別事情的な印象が濃い。

ドイツのコロナ感染が28日、28000人を上回った。10月中旬から増え始めていた。ICU(集中治療室)患者は1週間で15%増。新政権が出来ておらず、ロックダウンなどの動きは出ていないが、10CPI(消費者物価指数)が前年比+4.6%、現統計開始19971月以降で最大の上昇率。エネルギーと食料品価格上昇が牽引。CPI5%超の声が出ている。コロナ感染再拡大で経済混乱に拍車を掛ける公算が大きい。

ロシアは1日感染者数4万人を突破、28日の死者は1159人に達した。30日からロックダウン、一週間の職場封鎖に突入する。ロシア製ワクチンは不人気。ワクチン接種率84%(2回接種)のシンガポールも急増中。27日の感染者数は5324人、8日ごとに倍増ペース。死亡者も先月までの1日一ケタから18人に増加。他にも、英国、オランダ、ベルギーなどで増加傾向にあり、マスク着用論議が行われている。

市場は未だワクチンや治療薬に期待を維持しているが、様子見の投資家が増えてもおかしくない。ワクチンの有効性、副作用に懐疑的見方が広がるか注視したい。商品相場は荒い値動き、バルチック海運指数は107日の高値から32%下落した。100ドル説が出ている原油相場は85ドル/バレル攻防から小反落。非鉄相場は一時の急落から早くも反転、穀物相場は早くも来年の春小麦が高値取引など。米企業業績は概ね好調だが、アマゾンが第3四半期5割減益、28日引け後発表のアップルも供給制約から売上が予想を下回り、時間外株価は5~6%の急落。

衆議院選挙後の最大の注目点は米国時間2、3両日に開催される米FOMC(連邦公開市場委員会)。FRBのパウエル議長は22日の討論会で、金融当局は債券購入プログラムのテーパリング(段階的縮小)開始に向けて順調に前進していると述べており、テーパリング開始方針を決定すると市場では予想されている。利上げを急がない方針を改めて強調することで、市場に一定の関心感が出ると予想される。半面、東京株市場では決算ラッシュで個別中心の値動きとなりやすく、FOMC結果が判明する木曜までは売買が低迷するとみられる。また、4日に予定されるトヨタ自動車の決算も、半導体不足などサプライチェーン問題の影響を見極める上で注目される。

 

【インフレ圧力の差が影響か、米長短金利差縮小】

先週から今週にかけて先進国の中央銀行理事会が相次いで行われる。27-28日は日銀金融政策決定会合、27日はカナダ中銀、28日はECB理事会が開かれた。今週は週明けから米FOMC2日、3日)、英国、ノルウェーなどが続く。金融政策会合のトップを切って、27日カナダ中銀が「債券購入プログラムを終了し利上げ時期見通しを前倒し」した。中銀政策委員会声明で「カナダ国債の保有拡大をやめ、早ければ4月にも政策金利の翌日物貸出金利を引き上げる用意がある」。22年下期の見通しが前倒しされ、年4回利上げとの見方も出ているようだ。発表後、カナダ国債2年物利回りは一時20bp0.2%)撥ね上がり、カナダドルは米ドルに対し一時0.7%高、米ドルの軟調展開となった。

これに連動し、27日の米2年物国債利回りは一時0.529%、203月以来の水準に上昇。反面、5年債入札が堅調だったこと、スタグフレーション(景気後退とインフレが同時に起こること)懸念が漂うことから長期債利回りは低下、10年債は一時2週間ぶりの1.529%、30年債は1.932%と2%割れ水準。イールドカーブフラット化(長短金利差縮小)はスタグフレーション懸念を投影していると考えられる。市場の関心は利上げ開始時期に移っており、確率は来年6月が70%と徐々に上がっている。

28日には米7-9GDPも発表され前期比年率2.0%46月の6.7%から急減速。先行き引き締め方向の目線は変わらないとしても、「早過ぎる引き締めは経済に悪影響」との見方も根強い。これに不協和音がどの程度影響するのか、3日の米FOMCには注目が集まる。

もう一つの要素はやはり中国情勢。25日付ブルームバーグは「中国経済、投資家の想定より大幅に減速の可能性-来年成長率5%未満も」と報じた。10月も不動産投資の落ち込み、自動車販売など消費不振などが懸念されている。当局の姿勢は「大惨事の阻止」にとどまると見られている。「中国のエンジンが止まれば世界経済も失速する」懸念が漂う。11月の共産党大会「6中全会」や米中首脳会談有無などを睨みつつ方向感を探る動きが続くものと考えられる。

日本でも決算ラリーに入っている。先週日東電工、日本電産、新光電工日立建機などが上方修正を発表、対してキヤノンが小幅下方修正。半導体・部品不足、原油高などの影響を見極める流れと考えられる。

 

【郵政値決め通過、日本生命の目線】

株式市場は行儀が良い処とは、とても言えないが、それでも25日までの日本郵政株の売り崩し(25日に売り出し価格決定、このため売り出し価格引き下げの思惑)はえげつなかった。引け後、終値から2%引きの820.6円と発表(1511月上場時1400円、179月第二次売り出し時1322円)。政府の売却収入は6日発表時の9500億円程度から8367億円に1000億円以上減少したことになる。財務省幹部は「累計約3.9兆円の復興財源を確保できる」と胸を張ったようだが、何等かの防衛策があってもおかしくなかったと思うが。結果、信用売り残に逆日歩が付く状態なので、翌日買い戻し(品渡し)が横行。全体低調にどの程度影響していたかは分からないが、品薄下での需給要因が一つ是正されよう。結局、25日の日経平均は204円安だったが、翌日には特段の材料もなく簡単に505円高に戻している。あまり行儀が良いとは言えない。

25日に運用方針説明会を行った日本生命の下期相場見通しが明らかになった。日経平均は23000~33000円(中心値あるいは年度末想定28000円)、ドル円98~118円(同108円)、米国債10年物利回り0.702.40%(同1.50%)など。範囲が広過ぎて予想になってないのは昔からだが、それでも市場に大きな変化が無ければ、日経平均28000円水準では買いに出て来るとの見方になる(33000円を超えて来るとオーバーウェイトになって売って来る可能性)。多少意外感があるのは、あまり円安を見込んでいない点か。米債2.4%なら居所が変わると思うが

運用資産10兆円規模を目指す「大学ファンド」が注目されている。運用益で研究資金3000億円/年規模の提供を目指し、21年度内に4.5兆円規模でスタートする。年利回り4.38%以上、株式運用比率65%、債券35%が目安。野村証券の試算によると、日本株買いは11600億円~14800億円規模、TOPIX4.65.9%押し上げる効果が計算されると言う。日銀がETF購入を止めても、それを上回る買い手になる公算があると期待されている。

米国の大学の寄付基金はもっとバカデカイ。エール大学は運用規模423億ドル、昨年度(6月決算)運用成績は+40%。ハーバード大は530億ドル(1年で110億ドル増)で+34%。金融市場での影響は無視できなくなっており、最近の傾向は、ヘッジファンド、株式を減らし、ベンチャーキャピタルにシフトしている。最近のGAFA株の上値の重たさの一因と考えられる。大学なので技術情報はインサイダーだと思うが、出口のIPO市場、M&Aの活況につながるものと考えられる。日本は1周どころか相当な周回遅れで参戦することになる。

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