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2021年12月06日

【Weekly No.313】日本の「素人政治」を海外投資家は見ている

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  1. 日本の「素人政治」を海外投資家は見ている
  2. オミクロン楽観論、ヘッジファンド調整論など日々揺れる
  3. オミクロン・ショック、欧州情勢次第だが、軽症・軽微にとどまる公算

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Weekly 126

【日本の「素人政治」を海外投資家は見ている】

 3日の日経平均は、前日のNYダウ617ドルの大幅高で寄り付きから反発を期待していたが、同じ日のシカゴの日経平均先物はわずか145円高で失望感をもったまま東京が始まった。東京市場では87円高で始まった後はぱっとしない動きで午前中は61円安。午後は値ごろ感から反発した。結局、週間ベースでは日経平均は2.51%安、NYダウは0.91%安。このところ日本株の米株との連動性が少し低下しているように思える。前日のNYダウの大幅反発を受けても、東京時間午前中のダラダラの下げは一体何だったのだろうか。日本株の投資家及び市場関係者はやきもきしているようだ。そこで「オミクロン株」感染拡大は世界市場にとって共通なので、それ以外の理由を考えてみた。

東京市場の商いは約7割が海外投資家であり、やはり普通の日本人とは違った感性を持っているはず。121日、政府による一連の「オミクロン株」の水際対策として、国交省は日本に到着する国際線の新規予約を12月末まで停止するよう航空各社に要請したと新聞各社は報じた。つまり海外にいる日本人は、その国で感染が拡大しても帰国できないということになる。おそらくこのニュースが流れて、普通の日本人はこの水際対策を喜んだかもしれないが、実は国家の最大の責務である「日本国民の生命と財産を守り抜く」ことを放棄したことになる。海外にいようと国内にいようと、日本人の生命を守ることが最大の国家の責任である。昨年1月、当時の安倍首相は中国武漢にチャーター機を飛ばし、邦人の救出にあたった。現政権はわずか1年数か月前の対応と真逆のことをやろうとしたのである。

 筆者は90年代に中東バーレンに赴任していたが、981月当時のイラクのサダム・フセイン大統領はバーレンにある米軍基地を生物化学兵器で攻撃すると声明文を出していた。この時大使館側と2~3日に1回会合がもたれ、情報の公開がなされた。そこで当時の日本の法律では自衛隊による救出はできないとはっきり言われたことを覚えている。それでもいざというときの脱出に関して大使館は情報を集めていた。

 今回の措置は全く国家の責任放棄であり、国交相は記者会見で航空局局長のせいにしていたが、それはないでしょう。国家公務員の最高幹部が「国家の責任」を知らないはずはない。知らなかったのは公明党の大臣と岸田首相であろう。

 5万円のクーポン券も言い出しっぺも公明党であり、1000憶円近い経費が掛かることで、いい加減にしろと思っている国民が大多数だろう。海外投資家は日本の「素人政治」をよく見ているはずだ。当面は強気材料難の時、日本の「素人政治」が株価の上昇を妨げるだろう。

 

【オミクロン楽観論、ヘッジファンド調整論など日々揺れる】

2日から3日にかけ富士山周辺で揺れている。最近、関東・東北で地震が連発していること、震源深さ20kmは富士山地下のマグマ溜り深さと同じレベルであること、そして1130日にフィリピン・ピナツボ火山(20世紀最大噴火)が1.3万m級噴火しており、太平洋火山帯の活動活発化が懸念されるところだ。4日の新月無事通過を祈るのみ。

2日の米株市場は欧州株安から朝安で始まったが、NYダウ34000ドル直前から切り返した。前述したように結局617ドル高で終わった。背景は二つ考えられる。一つは、JPモルガンが「オミクロンはコロナ終焉サイクルか、経済再開テーマ銘柄の値上がりのキッカケになる可能性がある」。もうひとつは前後関係は不明だが、豪政府ケリー首席医務官が「オミクロン株は致死性が高いことを示す証拠はなく、実際はその反対かも知れない」との認識を示した。ニュース一つで変わる日々揺れる状況に変わりはないが、楽観論(感染力増強=弱毒化)で揺り戻しが来たと受け止められる。バイデン大統領はオミクロン対策を発表、ロックダウンは行わないと言明した。

2日付ブルームバーグは「ヘッジファンドの株離れ進む、FRB議長発言や新変異株で市場動揺」との記事を配信した。リターンを高めるため借入金を利用するヘッジファンドがリスクオフ(リスク回避)に大きく動いていると言う。パウエルFRB議長の「テーパリング加速」により強く反応した可能性がある。米国では年末の節税対策、利益確定もあろうが、個人が買い向かいに動いているとも報じた。ヘッジファンドのポジション調整なら、比較的短期で済む可能性があり、待機勢の買いを誘発する可能性がある。

代わって、北京五輪など中国情勢が急速に怪しくなっている。オミクロン脅威で北米プロアイスホッケー(NHL)が選手派遣を取りやめる可能性が伝えられ、女子テニス選手問題でWTAが中国での大会全面中止の一方、中国に協力するIOCに批判が殺到している。中国自身もコロナ対策で北部のロシア国境貨物輸送を封鎖、ルフトハンザ航空の瀋陽、上海便を運航停止(多分、ドイツ新政権へのプレッシャー)した。

中国本土にある台湾企業への締め付け強化が表面化して来た。台湾・遠東グループは中国からの「独立反対宣言」を広告掲載した。安倍元首相の「台湾有事は日米安保有事」の発言に強く反発、日本の駐中国大使は深夜に外務省に呼び出されている。2日、次官級協議ながら米・EUは「南シナ海、東シナ海、台湾海峡での中国の一方的で問題ある行動に強い懸念」を共同声明で表明した。

その前の1日、キャンベル・米インド太平洋調整官は「中国はオーストラリアに激しい経済戦争を仕掛け、同国を壊す試みを行ってきた」と述べた。米中首脳会談で「習氏の側近が有効な助言を行っていない為」とバイデン大統領が忠告したことも紹介した。

週末の雇用統計は就業者数が21万人増、予想は57.3万人だったため、10年債金利も1.4%割れの1.34%。円相場もドル売り円買いで112円台に入ってきた。ただ、失業率は前月の4.6%から4.2%に(予想は4.5%)低下。来週13~14日にFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催される。今回の雇用統計の結果はどう影響してくるのだろうか、大方のエコノミストは予定通りテーパリング(資産縮小)が加速されると見ている。今週はその思惑が市場で飛び交うだろう。このようにコロナ以外の材料も増えるため、目まぐるしい攻防が続きそうだ。

 

【オミクロン・ショック、欧州情勢次第だが、軽症・軽微にとどまる公算】

先々週金曜日の世界の株価は各地で大暴落を記録した。日本で暴落した後、欧州では、独、仏、伊、スペイン、露などが軒並み4%超の株価暴落、英国は3.64%安。この日のVIX(恐怖)指数は、日本22.33(前日19.01)、米国28.62(前々日18.58)に対し、欧州32.31(前日19.88)。リスク回避で株から債券に資金は流出。ユーロ圏債券市場で利回りは急低下(独10年債は一時-0.33%)、米債に波及し、米10年債利回りは一気に1.5%割れ、一時1.477%。原油相場は13%暴落し68ドル/バレル台。米市場は感謝祭休日の谷間で薄商いだが、NYダウは日経平均と同じ2.53%安。ただ、下落していたユーロは対ドルで0.97%高と反発した。このユーロの動きは、かつてのリスク回避の円買いのように、リスク回避のユーロ買いという市場関係者もいる。

新変異ウイルスは「オミクロン」と名付けられたが、当初は「スパイクタンパク32,全体で59か所の変異」、「デルタ株に比べ感染力500倍も」、「ワクチン効力失う可能性」などと伝えられ、各国が一斉に入国制限に走り緊迫感が一気に高まった。一般論では、ウイルスは感染力を強めると毒性は低下する。WHOは「重症度が分かるには数日から数週間掛かる」としているが、先週月曜日の時点で、南アの医療専門家2人が「これまでのところ症状は軽い」と述べた。南アの感染者数は6月の2.6万人/日から低下、足元でやや増加しているが3千人台の推移。アフリカ全体では7/521.3万人/日をピークに10月には1/10程度に低下している。オミクロン株の症状は倦怠感が中心で、筋肉痛と咳が含まれるが「入院患者はいない」とされる。

ウイルス変異多発は大量のワクチン接種が原因との見方がある。発端は7月、英政府のコロナ諮問委員会が「ワクチンが集団全体に展開されているため、ワクチンによる免疫応答を回避できる変異体の選択圧を生み出す可能性がある」と発表。高い致死率を持つ株の発生可能性にも言及した。それまでは、元ゲイツ財団ワクチン開発局長のボッシュ博士、元ファイザー社副社長マイケル・イェードン博士らがモンスターウイルスを警告していたが、反ワクチン派としてメディアからは排除されていた。ワクチン普及率の低いアフリカで接種促進の狙いがあるとの陰謀論もなくはないが、モデルナが60日、ファイザーが100日で新型変異株に対応すると言っているのは医学の常識から外れる。WHOがギリシャ文字ニューとクサイ(習氏の英語表記と重なる)を飛ばした政治的配慮と言い、非科学的な話も多過ぎる。

世界で入国制限が採られるのは致し方なく、欧州情勢次第ではあるが、米ゴールドマンサックスは「ポートフォリオを変更する理由はない」との見解。金融環境、商品インフレ状況なども一旦壊れたので単純に言えないが、日経平均は28000円割れもあったが、年内28000~31000円の大枠ゾーンは維持できると見たい(今週月曜日は再度28000円割れかもしれないが)。なお、メルクの経口薬「モルヌピラビル」の効果は低いとの報告発表もあり、治療薬開発が再び活発化する公算がある。

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