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2021年12月13日

【Weekly No.314】米消費者物価指数、前年比6.8%上昇-約40年ぶりの高い伸び率

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  1. 米消費者物価指数、前年比6.8%上昇-約40年ぶりの高い伸び率
  2. 北京五輪外交ボイコット軸に中国ビジネス懸念
  3. 日本株下支え要因となるか

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Weekly 1213

 【米消費者物価指数、前年比6.8%上昇-約40年ぶりの高い伸び率】

10日、11月の米消費者物価指数(CPI)が発表され前年同月比で6.8%上昇と1982年以来の大きな伸びを示した。前月の6.2%上昇に続き、急速かつ持続的なインフレが消費者の実質所得に影響を及ぼしており、米金融当局に引き締めを求める圧力が強まりつつある状況が浮き彫りになった。

市場の一部では7%に達するとの観測もあったが、エネルギーと食品を除くコア指数は4.9%上昇と市場予想と一致した。「FRB(米連邦準備理事会)の利上げ前倒し観測を一段と強める内容ではない」とみなされ、予想に反し株の買い安心感を誘った。NYダウは216ドル高、0.60%上昇、ナスダックは0.73%上昇、S&P5000.95%上昇。10年債国債利回りは1.48%と前日比変わらずで引けた。

FRBは今週(14~15日)のFOMCで政策金利を据え置く見通し。来年の利上げのタイミングなどを図る上で、パウエル議長の会見や、四半期ごとに発表されるスタッフ予測にも注目。すでにパウエル議長が言及しているとおり、声明では、インフレが「一過性」との文言が削除される公算。高インフレが2022年まで続く可能性があるとの判断に基づき、さらに、週次失業保険申請件数が52年ぶり低水準と労働市場もひっ迫が明らかになる中、今回の会合で、資産購入規模の縮小加速を協議する計画。金利先物市場ではすでに縮小規模を11月発表計画の2倍となる月300億ドルに加速させることを決定する可能性を見込んでいる。縮小を早期に終了することで2022年の利上げも可能になる。市場は3回近くの利上げをすでに織り込み済みト言われている。

今週は、ほかにも欧州中央銀行(ECB)の定例理事会、英中銀や日銀が金融政策を開催する予定で注目材料となる。さらに、米国では14日インフレ指標として生産者物価指数(PPI)の発表、15日はFOMC結果発表と11月の小売売上が予定されている。変動の激しい燃料やエネルギーを除いたコアPPI10月と同水準の伸びに留まる見込み。また、経済の7割を占める消費動向を判断する上で注目の11月小売売上高は10月から伸びが鈍化する公算。

 

【北京五輪外交ボイコット軸に中国ビジネス懸念】

9日、格付け会社フィッチは中国恒大が利払いを行わなかったことに対し、格付けを「C」から部分的デフォルト「RD」に下げたことを発表した。「部分的デフォルト」とはなんぞや。「部分的とは言えデフォルトと見做すのか」、「デフォルトだけど事業継続、債券は紙切れにならないということか」。恒大も既に管理下に置かれている。広東省政府も何も発表しないので、市場は判断できないまま、何事も無かったかのように動いている。

先例として、19年の包商銀行(預金保護、社会安定優先、機関投資家損失)、202月に海南省政府が管理下に置いた海航集団(1年後裁判所主導再編、今年9月に創業者とCEOが逮捕・拘束)が挙げられている。二つとも市場で話題になることはほとんどなかった。ただ、中国恒大はデカい。同業の佳兆業集団など、続々とデフォルトする可能性がある。カジノ関連・サンシティが株売買停止、破綻の噂が出ているように、他産業に広がる恐れもある。

余談だが、6日、新たな国有物流企業「中国物流集団」が発足した。鉄路物資、物資諸運総公司、包装総公司などを統合した企業。中国30省で展開、5大陸で300万台の車両展開と伝えられる。いわゆる、腐ったものを大きな風呂敷で包み直す方式。超巨大不動産会社が出現するかも知れないと思う。

米英などの北京五輪外交ボイコットも交え、ビジネスに波及する恐れがある貿易制限の応酬が激しくなってきた。米下院が強制労働懸念の中国・新疆ウイグルからの輸入を禁ずる「ウイグル強制労働防止法案」を可決。中国政府に協力するIOC非難決議、国連の行動求める決議も可決した。また、米財務省はAI企業センスタイム(商湯科技、ソフトバンクG出資)を軍産複合体企業リストに入れ、投資禁止した。

マイク・ルビオ共和党上院議員が、トヨタ、パナソニック、ブリヂストンを含む北京五輪スポンサー企業に書簡を送り、契約から手をひくよう求めていたが、これはレモンド米商務長官が「撤退求めない」と表明。ただ批判が燻る恐れはある。

中国政府は台湾問題に関連し、多国籍企業にリトアニア製品のボイコットを要求した。欧州企業が対象と見られるものの、いつ、どういう形で海外企業を締め付けて来るか分からない不透明感が強まっている。脅し文句も飛び交う。

ただ、11月の台湾輸出統計で中国向けは41%を占め、前年同月比+18.9%。全体の+30.2%を下回るが、一応伸びている。また、海外勢の中国国債購入は11月約1.57兆円、10月の3倍、1月以来の高水準。中国ビジネスが不透明化しているのは間違いないが、ミクロ的トラブルニュースとマクロ的変調は分けて見て置く必要がありそうだ。

 

【日本株下支え要因となるか】

ドイツでメルケル氏の退陣でショルツ新政権が発足した。8日のDAX指数は0.80%の下落。コロナ(8日の感染者数6.9万人)とロシア問題(ウクライナ緊張でロシア産天然ガス輸入パイプライン・ノルドストリーム2問題)、さらに中国とも緊張が高まる気配で、ご祝儀相場もない印象。何処も政治不信は根強い。

8日、理化学研究所は日本のコロナ重症・死亡者が欧米に比べてかなり少ない要因として、「日本人に多い特定の免疫タイプが要因の一部」と発表した。「A24」と呼ばれる免疫タイプで、日本人の約6割(欧米人は1~2割)が持つとされる。A24タイプの物質(ペプチド)が現れる細胞ではキラーT細胞が増殖、感染細胞を破壊する。キラーT細胞が認識する抗原部位を発見し、スパイクタンパク領域にも強く交差反応することを実証した。

10月末に国立遺伝学研究所と新潟大学などの共同研究で、日本人の持つ酵素がコロナウイルスの増殖コピーミスの修復機能を阻害すると発表したのに続く成果で、日本人のコロナ感染重症化リスクの低さが注目される可能性がある。本来なら、マスコミでもっと取り上げられるのかなと思っていたが、オミクロン感染拡大が優先したようだ。もう少しバランスをとってもよかったのではないだろうか。

8日、内閣府発表の11月景気ウォッチャー調査で、景気現状判断DI56.3,アベノミクス初期段階の1311月以来8年ぶり水準に上昇した。企業動向関連が3.3ポイント上昇して牽引。年末年始に向け期待が出易い時期ではあるが、何よりも感染収束傾向の影響が大きい。前日に10月消費動向、実質賃金などで不景気感漂う数値だったので、内需拡大に灯りが燈る。景気ウォッチャー調査は海外投資家の関心も高いとされる。

7日、国際的環境非営利団体・英CDPが世界の企業を対象とした環境対策取り組み評価の調査結果を発表した。詳細は分からないが、環境対策最高評価のAランクを獲得した日本企業は74社、国別では昨年に続きトップと報じられた(調査対象約13000社)。米国は43社、仏は23社。全ての分野でA評価は世界で14社、日本企業では不二製油Gと花王。ESG投資で、日本企業はもっと評価されて良さそうだ。日本株の下支え・追い風要因になるか注目される。

週明け13日に発表される日銀の短観=企業短期経済観測調査について、民間の予測では緊急事態宣言が解除されて以降、持ち直しの動きが強まっている大企業の非製造業で景気判断の改善が見込まれている。日銀の短観は国内の1万社近い企業に3か月ごとに景気の現状をたずねる調査。
民間調査では、大企業・製造業は9月調査から若干の改善を予想している。半導体不足や東南アジアでの部品供給の停滞が緩和し自動車の生産が回復に向かっているようだが、見方は小幅な改善と小幅な悪化に分かれている。
緊急事態宣言が解除されて以降、飲食や宿泊などで持ち直しの動きが強まっていることから改善が予想されている。ただ先行きについてはオミクロン株の感染状況によっては経済活動の抑制につながるおそれもあるという慎重な見方が多くなっている。

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