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2022年04月11日

【Weekly No.330】決算発表待ち、微調整で売り直しか

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このレポートが、皆様の資産運用の一助になれば幸いです。

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  1. 決算発表待ち、微調整で売り直しか
  2. 3月のFOMC議事録はタカ派的
  3. ウクライナ長期化の様相
  4. 制裁の輪の拡大で資金は先進国市場へ

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Weekly 411

 【決算発表待ち、微調整で売り直しか】

三寒四温相場か、売り崩し第二波か、は未だ判断できないが、先週の東証空売り比率は、月、火の42%台から6日の水曜日には46.6%に跳ね上がった。不思議なことに翌7日日経平均は461円安だったが、空売り比率は42.9%と週初レベルまで下げている。7日は現物売りが活発だったということだろうか。また先週末時点のVIX指数(恐怖指数)では、日経VIを見ると18ポイント台から20ポイントへ,売り方がソロリ動いてきた印象だ。欧州は30.73,米国21.16なので、対ロ追加制裁に伴う欧州不安の強まりが売り方の心理に働いていると思われる。(注:この指数が高まると投資家の不安心理が高まっていることを意味する)

ラフなデッサンだが、TOPIX39日の1755ポイントから25日に1994ポイントに戻した。この急激な戻りの反動が出ているとすると、上げ幅の半値押し水準の1875ポイントが一つの目安となる。続落していた7日の安値は1881ポイントで、何とか半値押し水準を下回らずに済んだ。下回れば、3月安値が次のメド。下回らなかったので、1900~1950ゾーンでの揉み合い形成から再度2000ポイント挑戦のイメージになる(8日は1896.79)。

NT倍率(日経平均÷TOPIX)が下げ止まっていない可能性があるので、日経平均はもう少し弱いイメージ。ボトムは39日の24681円、戻り高値が25日の28338円。半値押し水準は26500円処。

基調は決算発表待ちと思われる。単純なセクター判断、銘柄選別だけでなく、米企業は1-3月に3000億ドルを超えた自社株買いと報じられた株主還元策の動向も焦点。S&P500種採用企業の21年自社株買いは約8800億ドル、20年は5200億ドル。今年は1兆ドルを超えるペースとなっている。日本でも3月下旬の戻り相場でトヨタをはじめとする自社株買いラッシュが支えた。もっとも、以前のように決算発表に伴う行事ではなくなっているが。

3月期決算の前哨戦、小売業を中心とした2月期決算発表は、今のところ企業業績懸念が和らぐ方向で出ている。安売り定評のしまむらが過去最大級の値上げを発表し、5%増益予想。セブン&アイは百貨店事業売却(ヨーカ堂売却は否定)表明、232月期営業利益は10.9%増の計画。日本マクドナルドの3月月次は既存店前年比12.6%増。314日からの値上げをこなした。

1日に先行してイオン(8267)が222月期業績の下方修正を発表していた。連結純利益は200-300億円予想から60億円。ただ、これは「価格据え置きセール」を行っていたので、ある程度織り込まれていたと見られる。焦点は8日の決算発表で、同社の今期(232月期)の予想では純利益を最大4.6倍(市場予想の300億円程度と一致)としている。

大雑把な印象だが、先々週末発表の日銀短観、米雇用統計などマクロ景況感は今のところ、それ程悪化していないが、決算発表を控えて、企業業績の悪化に神経質な地合いに向かう公算がある。

【3月のFOMC議事録はタカ派的】

6日のNYダウは144ドル安、前日比0.42%の下げだったが、ナスダックは2.22%の下げ率だった。金利上昇に弱いナスダックの下げが目立ったのだが、この日3月米FOMCの議事録が公開されたことが影響している。3月の議事録では、ウクライナ侵攻を受け0.5%利上げを見送ったこと、保有資産を最大月額950億ドル(国債600億ドル、住宅ローン担保証券350億ドル)圧縮で総じて合意していたことが判明した。5FOMCに向けて攻防が激化するかと見られていたが、長短金利逆転狙いポジション(スタグフレーション化)は解消を余儀なくされた様だ。10年債、30年債が2.6%台に上昇する一方、2年債は2.4%台に低下した。前日にブレイナードFRB理事が「年後半には、より中立な位置に達する」との見解を出し、金利上昇シナリオがグラついていたことが布石となった。

FOMC議事録とIEA(国際エネルギー機関)会合で1.2億バレル備蓄在庫放出を合意したため、この日の原油相場は一時5ドル程度の急落となり、再び100ドル/バレルを割り込んだ。原油相場も方向感がない状態がしばらく続きそうだ。

 

【ウクライナ長期化の様相】

ウクライナ攻防がさらに長期化の様相を呈し始めている。今のところ59日のロシアの対独戦・戦勝記念日が大きな節目と見られているが、首都キーウを諦め、南・東部に集中する方針を示して2週間以上が立つ。陥落寸前と言われたマリウポリも激戦中のようで、見通しは立っていない。

反面、対ロ経済制裁も腰砕けの様相。ロシア産石炭禁輸は8月に先送りされた。原油・ガスではサハリン5月積み分完売と報じられるなど、ロシアの収入源は維持されている様だ。売却代金の外貨収入は、8割はルーブル転換され、ルーブル相場は侵攻前水準を回復した。ただ、ロシア産依存度下げは続くので、世界的な天然ガス需給逼迫が長期化するとの見方になっている。

露外務省のザハロワ報道官が「日本に報復措置を講じる」と表明(6日)、ミロノフ国家下院副議長が「ロシアは北海道に対するすべての権利を有する」と述べた(4日)ことで日本政界の一部で緊張感が高まっている。イザとなった時、岸田内閣で対応できるのか。ただ、これは日本に限らず、モスクワ市会幹部が発言した「次はカザフスタン、モルドバ、バルト三国」で、カザフスタンが緊迫していると伝えられた。フィンランドとスウェーデンのNATO加盟の水面下交渉が表面化したことに、ロシアが早速嚙みついている。リスク拡散と言うか、拡大展開になるか注意が要る。

 

【制裁の輪の拡大で資金は先進国市場へ】

4日の東証市場区分変更は静かなスタートだった。旧東証一部出来高は10億株、如何にも低調、リアルタイムで表示されない新指数に驚いた。東洋経済は「東証沈没」と辛辣。ネットでは「(日本のPRなら)松・竹・梅でもよかった」。3.4%高となったマザーズ指数に動きやすくなった観があった。

この日はロシア国債償還日だった。デフォルトXデーの一つだったが、ロシアが20億ドル相当の内、3/4程度をルーブルで買い戻したため、危機感は遠退いている。ブルームバーグの指数では、ロシアのドル建て国債相場は年初来、平均で72%下落、80%を超えるものもあると言う。ルーブル相場、モスクワ株式市場も参加者が激減する中、何とか維持されている様だ。ロシア中銀発表の325日現在の外貨・準備高は6044億ドル(海外で差し押さえられた分を含む)、2月比388億ドル減。体力は急速に衰えていくと見られる。

ロシア軍のキーウ周辺撤退で「住民大量虐殺」が明らかとなり、一気に追加制裁の動きとなっている。当面の最大の焦点は、ロシア産石油・ガスの調達禁止に踏み切るかどうか。リトアニアが調達停止を発表する一方、スロバキア(ガス需要のロシア依存度85%)はルーブル支払いに応ずる意向を示している。ドイツ銀行協会は「禁輸なら景気後退深刻」と警告、政府の支援措置が喫緊の課題になると表明した。4日の原油先物市場は北海ブレント3%、WTI4%高。ロシアが止めるのか、欧州が輸入禁止にするのか分からないが、ロシアの目算では今年約40兆円(3210億ドル)稼ぐ目論見だったようだ。

もう一つの焦点は制裁の輪を何処まで広げるか。4日、ロシア政府はコロナ規制を撤廃し9日から航空便再開を表明した。対象は「友好国」52ヵ国。中国、アルゼンチン、南アなどG20国を含む。欧米がこれらの国にロシア制裁の輪を要求するか注目される。

4日、JPモルガンは新興国企業のデフォルトを警告した。中国の不動産危機も相まって新興市場全体のデフォルト率は8.5%に達したと推計、ウクライナ侵攻前の年初は3.9%だった。ウクライナは98.8%、ロシアは27.3%の予測。トルコの3CPIは前年比61.1%と記録的、経済危機のスリランカでは暴動、など実質的な破綻国家、破綻危機国家が増え続けている。

その分、先進国市場に資金は流れるが、1-3月はM&A取引額は前年同期比15%減、IPO資金調達額は同51%減と報告されている。総額で5.5兆円の取引消滅とされる。市場の立ち直りの目安になると思われる。

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