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2022年04月18日

【Weekly No.331】ロシア窮状加速か

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  1. ロシア窮状加速か
  2. 20年ぶりの円安のピークはいつ?
  3. 米国インフレのピーク感で米金利上昇に一服感
  4. 様々なデータを見てみる

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Weekly 418

 【ロシア窮状加速か】

結局、ロシア黒海艦隊の旗艦「モスクワ」は沈没した。ロシアはウクライナのミサイル攻撃と認めていないが、海軍戦略に大きな痛手を受けた。1万トン超の軍艦が沈むのは、フォークランド紛争でのアルゼンチン艦船以来のようだ。14日のドル建てロシア株指標のRTS指数が5.62%下落、連日の5%超下落。47日の戻り高値から13.8%安の水準。ロシア中銀が2月侵攻時に一気に強化した資本規制を緩和し始めており、ルーブル安も再燃している。株式市場では依然、海外投資家売買制限、国内空売り禁止などの制限下ではあるが。

14日付ウォールストリートジャーナル紙は「ロシア産原油のだぶつき、成長エンジンを直撃」と伝えた。売りさばけず、貯蔵タンクが満杯、製油所、油井で減産・操業停止に追い込まれ始めているようだ。その前の8日付では「ロシアのIT支出、22年は4割減の見通し」と伝えた。米調査会社IDCの分析によるもので、前年推計312億ドルから121億ドル減の推計。欧米企業が一斉に撤退・事業停止しており、ロシア・ハード製造企業も3月から生産停止に追い込まれていると言う。クラウドサービスは米企業に握られており、IT不能はソ連時代に戻る象徴となる公算がある。

15日のイースター(復活祭)3連休前に、14日米債利回りが急上昇、株式市場は手仕舞いムード。米主要銀行の決算では、ディーリング収益が予想を上回っており、「ボラティリティーを味方に」稼いでいる構図がチラチラする。期限長めの利回り上昇が目立ち、10年債は一時2.828%、30年債は同2.928%。195月以来の水準。つれてグロース(成長)株が売られる展開になっている。

ロイター企業調査で、「円安は減益蔚要因になる」が48%となった。ただコメント的には「円安懸念」と言うより「値上げ(浸透できるか)懸念」で、弱気コメントになりがち。「円安は増益要因」としたのは、化学、電機、精密危機・その他製造。「悪い円安」分岐点は130円前後が多い。今のところ、ロシア懸念、欧州不安などは台頭していないようだ。

 

【20年ぶりの円安のピークはいつ?】

20156月の円安水準を突破した円の安値ピークはいつ付けるかが最大の関心事となっている。市場ではGW明けにピークを付けるとの見方が出ている。5月のFOMC(米連邦公開市場委員会)でドル高材料がいったん出尽くしとなるほか、日本銀行がインフレ加速を受けて政策修正に傾くとの思惑が浮上する可能性があるという。5月のFOMC34日に開催される。ここで大幅利上げと量的引き締めが決まると、材料出尽くし感が出やすくなる可能性がある。GW中で流動性が低い中、利上げを受けて瞬間的にドルが上昇し、そこでドル高円安のピークを付けるような値動きもあり得るだろう。

市場は5月会合での0.5ポイントの利上げをほぼ確実視し、さらに年内複数回の大幅利上げを織り込んでいる。また、同会合では、前回201719年の量的引き締めのほぼ倍のペースとなる月間最大950億ドルのバランスシート圧縮も承認される見通しだ。

一方、連休明けの6日には全国の物価の先行指標となる東京都区部の消費者物価指数(CPI4月分が発表される。携帯電話通信料値下げの影響がなくなり、原油などの市況高騰により日本のCPIの伸びが加速するとみられる。

さらに来年4月に任期満了となる黒田総裁の後任人事への思惑でドル高円安にブレーキがかかるという見方もある。夏前には後任人事を巡る報道合戦が始まる可能性があり、米金融引締めの終焉の織り込みと次期日銀執行部の金融政策への思惑で、ドル・円相場はいったんのピークを迎える可能性が高い。

しかし、円は20156月に付けた125.86円を突破し、約20年ぶりとなる126円台へ上昇した。テクニカル的には15年の円安を突破したことで、この先130円をトライすることも視野に入れとかねばならない。

 

【米国インフレのピーク感で米金利上昇に一服感】

ウクライナ情勢が「リスクを抱えながら長期化」との見方がやや強まる中、行き過ぎたポジションの調整が交錯する局面と考えられる。物価上昇がピークを付けたかどうかも、その一つで13日の米債利回りが低下した。この日朝方発表の米3月卸売物価指数(PPI)が前年同月比+11.2%と統計開始の201011月以降で最大の伸び率となり、発表直後10年債利回りは上昇、その後下落に転じ一時2.646%に低下。終値は2.70%前後ながら、2年債との利回り差は35bp程度に拡大した。

この日の10年債利回り低下は、米30年物住宅ローン金利が5%を突破(181月以来)、行き過ぎ警戒が広がった可能性、商品市況に中国減速の影響から頭打ち感が出ると見られた可能性などが考えられる。  

13日発表の中国統計で、3月原油輸入は前年同月比14%減、石炭輸入同40%減、鉄鉱石同14.5%減、銅同8.8%減など軒並み減少した。原油相場はIEA(国際エネルギー機関)がロシア産原油供給減少は4月の150万バレル/日から5月以は300万バレルに拡大、との見通しを発表したが、米金利低下を反映してWTI104ドル台/バレルに再上昇している。とはいえ警戒感はそれほど高まっていない。

決算発表の先陣切ったJPモルガンは第1四半期利益が前年同期比42%減、株価は一時4%安となったが、300億ドルの自社株買い計画を取締役会で承認、下げは市場全体に波及しなかった。むしろ、最大の資産運用会社ブラックロックが、1-3月に長期運用商品に1140億ドル(うち株式ファンドに760億ドル)資金が流入したと発表、市場に安心感が戻ったと見られる。債券ファンドにも75億ドル流入した。

市場は波乱含みの展開後、落ち着きや安心感を求める傾向がある。日本市場では安全保障、防衛関連体制の整備強化がその一つと考えられる。ロシアの脅威だけでなく、明日にも北朝鮮核実験が懸念され、「台湾有事」危機もある。13日、防衛省は「防衛関連企業との意見交換会」を開催した。2月初めの開催に続くもので主要15社(三菱重工、川重、IHI、日立、東芝インフラシステムズ、三菱電機、富士通、NEC、コマツ、ダイキン、沖電気、日本製鋼所、ジャパンマリンユナイテッド、SUBARUGSユアサ)が参加した。

防衛省は先端技術の装備品への活用加速化、自民党安全保障調査会は防衛装備品の輸出や共同開発ルールを定めた「防衛装備移転三原則」の見直しを協議しており、防衛関連産業の整備強化が加速する期待がある。

 

【様々なデータを見てみる】

先週発表されたデータをいくつか見てみる。まず、米ジョンズ・ホプキンズ大の発表によると、世界のコロナ感染者数は5億人を突破、死亡者は618万人超。全体としては減少傾向にあるがオミクロン脅威が続いている。局地的ながら影響が出ていると思われる。

世界銀行の春季経済報告で、かなりの不確実性としつつ、欧州・中央アジア(ECA)地域の今年の成長率は-4.1%、パンデミックの20年の2倍の落ち込み。ウクライナは-45.1%、ロシアは-11.2%の予想。ベラルーシ、キルギス、タジキスタン、モルドバもマイナス成長予想。これらの地域は中国の貿易相手国で、中国経済に翳を落としている。

8日の東証プライム市場の新高値は35,新安値は118銘柄だった。この時期は昨年来から年初来に切り替わるので、新高値新安値銘柄が膨れる。イメージ的には数は多くないが、売り込み姿勢(8日の東証空売り比率47.2%、3/11以来の高水準)、信用買い残などの投げ圧迫などが感じられる。

米エール大学調査でロシアでの事業活動を停止した多国籍企業は約600社。躊躇している企業約160社。5日にはインテルが全事業停止、半導体やIT関連の断絶が進み、その分ロシア経済は厳しくなろう。

国の上海封鎖の影響は広がる恐れがある。上海市の感染者数は約2.5万人、感染者が出た住居、会社は封鎖される。一部に食料難に陥った地域でスーパー強奪や自殺者急増など治安不安が発生している様だ。今のところ、日本企業への影響は現地での操業低下、三菱自、ホンダの部品調達難による国内減産など散発的だが、引き続き弱気材料の位置づけ。  

8日、国営メディアが李克強首相の言葉を引用して、「支援強化、新景気刺激策検討」と報じており、景気対策が浮上する公算もある。なお、ドイツでも1000億ユーロ超の企業支援策(こちらはウクライナ関連だが)計画と報じられており、経済対策が焦点となる可能性がある。

8日発表の国内の3月景気ウオッチャー調査(街角景気)は現状判断DIが前月比+10.1ポイントと急上昇した。家計関連が+13.1ポイント、企業関連が+2.4ポイントで、コロナ警戒が緩み、海外情勢懸念が投影された格好。台湾の3月貿易統計は、輸出が前年比+21.3%。対中輸出が2月の+39.9%から+13.4%に急低下したが、対米輸出は+36.6%と高水準を維持。電子部品+35.6%、半導体+38.2%で、日本の関連企業も好調持続が見込まれる。

2月期決算ではイオンが今期利益はコロナ前水準回復見通し、安川電機の前期実績は会社予想を下回ったものの、今期は市場予想を上回る連続最高益更新予想。ドル円前提は前期の111.50円から今期120円。

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