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2022年04月25日

【Weekly No.332】米利上げ調整相場に中国調整重石

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  1. 米利上げ調整相場に中国調整重石
  2. 混乱続くも、対ロ制裁進行中
  3. 今週から来週に日米金融政策決定会合、円高反転か
  4. そろそろ売り一巡感出るか?

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Weekly 425

 

【米利上げ調整相場に中国調整重石】

世界最大規模のノルウェーSWF(政府系ファンド)が21日、1-3月期の決算を発表した。株、債券ともマイナスの740億ドルの損失。20年のコロナショック以来。ロシアのウクライナ侵略と中国ゼロコロナ政策で市場が動揺したと説明。ただ、ロシア資産の売却はロシアの外国人投資家の売買禁止で完了していないと見られる。米投資会社ブラックストーンの社長は1400億ドル(約18兆円)近い手元資金を確保しているとし、テクノロジー株下落や旅行再開などを関心分野に挙げた。機関投資家の損失対応、決算調整的な動きは峠を越えたと見られるが、積極運用は5FOMC通過などのタイミングが必要と見られる。

21日の米株は軟調だった。パウエルFRB議長が5FOMCで「0.5%利上げを検討する」、「(記録的物価上昇には)もう少し迅速に動かすのが適切」と述べ、金利上昇圧力が強まった。この日は短めの金利上昇が目立ち、2年債が一時2.730%、200億ドルの入札があった5年債は一時3%乗せ、ともに1811-12月以来。目立ったのは、フレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)発表の30年物固定住宅ローン金利が5.11%(昨年末3.11%から2%上昇)と20104月以来の水準に上昇した点。株式はほぼ全業種下落だが、旅客増の航空株、予想上回る決算のテスラ株などが上昇した(ネットフリックス3.5%続落、先に急落したメタ株が6.2%安)。

ノルウェーSWFが言及した中国株が弱い。21日の上海総合指数-2.26%、上海と深センの有力企業300社で構成するCIS300指数は-1.84%、香港ハンセン指数-1.25%。316日に劉鶴副首相が中国経済と金融市場を支援する方針を表明して以降の上昇分を吐き出した。ノムラHDのアナリストは46月期GDP伸び率を3.4%から1.8%に、年間成長率予測を4.3%から3.9%に引き下げた。IMFも中国景気減速に懸念を示した。

20日発表の日本の3月貿易統計速報では、輸出は前年同月比+14.7%、対米が+23.8%で牽引したのに対し、対中は+2.9%に止まった。円安で輸出増期待が今一つ盛り上がらない要因は中国懸念と考えられる。

強いてプラス材料を探すと、21日日銀発表の「主要銀行貸出動向アンケート調査」で企業の資金需要DIはゼロ(増加-減少でマイナスでなかった)となった。今年度設備投資増が期待されているが、主に海外情勢の不透明で減退懸念が出ていたが、現状は見送り待機はあると見られるものの、削減修正には至っていないと見られる点が一つ確認された。この日は京セラ鹿児島工場625億円で建屋新設、年後半にB787ドリームライナー部品納入再開意向が報道された。

小規模ながら、自公幹事長協議で今国会での補正予算成立を目指して動き始めた。規模は2.5兆円前後と伝えられる。評価されない可能性が大きいが、一応前進。

 

【混乱続くも、対ロ制裁進行中】

注目のG20財務相・中銀総裁会議で、ロシア財務相発言(オンライン、対面では財務次官が出席)時の退席は米、英、加の3か国に止まった。日本やEUBRICSなどは対応が異なっていることを示している。対ロ制裁効果を巡って議論があるが、実効度は徐々に上がって行くものと考えられる。

20日はISDA(国際スワップ・デリバティブ協会)の決定委員会も開催された。結論は「潜在的な支払不履行」。46日支払分64920万ドルをルーブルで行ったためで、30日猶予後の56日に正式デフォルト認定される可能性がある。

ロシアは既に国債発行停止、ロシア中銀は統計発表を中止しているので、実態は今一つ不明だが、1)ルーブル価値が侵略以前に持ち直した主因は、輸出企業に獲得外貨の8割をルーブルに交換するようにしたことが大きい、2)侵略以前から外貨準備の人民元比率が急上昇していたが、取引実態不透明ながら、実質人民元ペッグ制が進行している、3)新たにインドのタタ・スチール(ロシアで拠点持たず。原料炭輸入)がロシアと取引停止、独外相はバルト三国外相会談で「原油輸入を夏までに半減、年内に全面停止、ガスもこれに続く」と表明、4)国営石油最大手ロスネフチはサハリン産原油のアジア向け販売で異例の入札を行った(21日締め切り)。民間業者の取引停止で苦戦、貯蔵タンク満杯の噂を裏付けた、519日、IMFは外銀保有のロシア向け債権は1200億ドル、金融市場混乱リスクが増大していると警鐘を鳴らしたが、当面の金融市場での換金圧力は一巡しつつあるように思われる(オリガルヒ資産凍結による運用機関混乱も含め)、などが考えられる。

ロシアが戦争を止めざるを得ないほど困窮するには相当の時間を要すると見られるが、経済破綻スピードが加速するかどうかが当面の焦点と考えられる。

20日の米株市場で(ロシアの影響を含めて)注目決算ラリーはネットフリックスとアルコア。ネットフリックスは前日引け後に決算発表、20万人加入者減を発表していた。ウクライナ情勢、インフレ、競争激化などが混在している。株価は一時38%暴落(終値35.1%安)、ディズニーなどライバルかたズームなどIT関連が幅広く売られた。影響の大きいナスダックが1.22%下落、NYダウ0.71%上昇と明暗を分けた。

 

【今週から来週に日米金融政策決定会合、円高反転か】

534日のFOMCでの利上げ想定で金利上昇圧力が続いている。前述したように、前日のパウエル発言でFRBの想定以上の積極的な引き締めを嫌気して、22日の株価も前日以上に大幅安。NYダウは2.82%安、ナスダックは2.55%安、英1.13%安、ドイツ2.48%安、仏1.99%安となった。金融市場では、米FOMC(連邦公開市場委員会)とECB(欧州中央銀行)が一段と積極的なペースで利上げを実施するとの見方が強まっている。物価上昇が少なくとも数十年ぶりの速いペースとなっている中、政策当局者はインフレ抑制を図っている。

米国では9月のFOMC会合までに200ベーシスポイント(1bp=0.01%)の金融引き締めが市場では織り込まれたと想定している。これは5月および6月、7月、9月の会合で政策金利がそれぞれ0.5ポイント引き上げられ、政策金利は目標レンジの上限が2.50%になることを意味する。0.5ポイントの利上げが実施されれば、2000年以来となる。

一方、ECBに関しては7月と9月にそれぞれ0.25ポイントの利上げが実施されるとみられている。こうした欧米の引き締めを映しながら今週の東京外国為替市場でのドル・円相場はもみ合いになりそう。5月3~4日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え米国債相場が横ばい圏で推移するとみられており、1ドル=130円を前にレンジ相場となる見通しだ。日本銀行の金融政策決定会合で緩和的な姿勢が強調された場合には、130円超えを試すとの見方もある。

今週2728日には日銀決定会合が開催、同時に「展望レポート」も公表される。日銀の黒田総裁は22日、ニューヨークのコロンビア大学で講演し、日銀は2%の物価安定目標の安定的な達成に向けて、現在の「強力な金融緩和」を粘り強く続けていく必要があると述べた。この発言で22日のNY為替市場では一時129円台の円安だったが、すぐに128円台に戻した。この為替の動きを見ていると、534日のFOMC0.5%の利上げは織り込んでいるが、バランスシートの縮小が想定以上に大きければ131円までのドルの上昇はあるだろう。しかし、3月からドルのサポートラインが128円台まで切り上がっているため、これを割れると調整が強まりやすく、その場合126円ちょうどまでドルが下落(円高)することもあり得るだろう。なお、この日の講演での黒田発言に対し、あるメディアが当初「円が下落しても積極的な金融緩和は継続する」と報道したため、円は129.11円まで下落、その後このメディアは「円についての言及はなかった」と訂正したため128.44円まで買われた。市場は米FOMCだけでなく日銀の政策に非常に神経質になっている。

また、28日に米1-3月期のGDP(国内総生産)の速報値が発表される。市場予想は前期比年率1.0%増と鈍化、昨年1012月期は6.9%増だった。

 

【そろそろ売り一巡感出るか?】

IMFの世界成長率見通し大幅引き下げで、「インフレの衝撃、G7で最大」と酷評された英国では、「ロールスロイスの小型モジュール原子炉、24年半ばまでに承認へ」と報じられた。送電開始は29年の予定で米国に2年ほど遅れているが、長期的な脱ロシア、脱炭素推進は、投機勢にとっては手仕舞い材料。英株は3月下旬の戻り高値に近い水準にある。

珍しく?19日、米半導体指数(SOX指数)が+2.21%とNYダウ、ナスダック高を牽引した。今年になって23%ほど下落(時価総額1位のNVIDIA27%強下落)し、買われ過ぎの反動とか、先行き景気鈍化懸念の象徴とか言われて来たが、サムスン電子で17営業日連続の売り越しと伝えられていた外国人投資家の売り越し基調に一巡感が出て来た可能性がある。パソコン、スマホ需要の後退、自動車生産の停滞、世界半導体需要の58%を占めるとされる中国動向、物流混乱などを睨みながらの展開が考えられる。売られていただけに四半期決算で見直されやすい位置にいる。

なお、BofA(バンクオブアメリカ)の週間調査で、13日までの1週間で米株ファンドから155億ドルの資金流出と伝えられた。富裕層顧客が昨年11月以来の規模で株式を手放したと言う。欧州株ファンドからの資金流出は9週連続。オリガルヒ資産凍結が影響しているかどうか不明だが、46月を売りから入った動きに一巡感が出るか注目される。

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