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2022年05月02日

【Weekly No.333】大幅安で4月を終えたNYダウ

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  1. 大幅安で4月を終えたNYダウ
  2. 評判悪い岸田物価対策、円は130円台に
  3. 米景気後退懸念、ナスダック底割れ?
  4. 中国ゼロコロナ拡大懸念、とりあえず上海株価大台割れ回避

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Weekly 52

【大幅安で4月を終えたNYダウ】

29日のNYダウは938ドル安。アマゾンの業績悪化をきっかけに企業業績の先行きへの懸念が高まり、ダウは一時、1000ドルを超える急落となった。前日に発表された同社の3月までの3か月間の決算が最終赤字となったことで、企業全体の業績先行きへの懸念が高まった。この日取り引き時間中に下落幅が1000ドルを超える場面もあった。また、IT関連銘柄の多いナスダックも前日に比べて4.1%の大幅な下落となった。
今週、34日に開催される米FOMC(連邦公開市場委員会)でインフレを抑えるため金融引き締めを加速させるとの観測が広がる中、米市場では企業業績の悪化が意識され、景気回復の勢いが鈍ることへの警戒も強まって、売り注文が膨らんだようだ。

4月の世界の株式市場は米金利への思惑で全面的に下落。月間騰落率では、ナスダックが最も悪く、13.26%の下落、上海はー6.31%、NYダウは—4.91%、日経平均はー3.50%であった。ちなみにこの日のシカゴの日経平均先物は28日の大証比140円安。

 

【評判悪い岸田物価対策、円は130円台に】

市場でほとんど話題にならないが、26日に岸田内閣が発表した物価上昇対策の評判が悪い。珍しく?経済同友会の櫻田代表幹事が「どのような経済効果が有るのか、政府は十分な説明が必要だ」と批判的な疑問を述べた。今のところ、1GDPギャップは昨年10-12月期で17兆円、オミクロン爆発の1-3月期は20-30兆円規模に拡大が見込まれており、6.2兆円規模は如何にも小さ過ぎる、2)欧州勢が脱炭素棚上げの勢いでエネルギー政策見直しに一斉に動いているのに対し、小手先のガソリン補助金積み増しだけでは対策にならない、3)櫻田氏も指摘しているが「(景気対策で)一番重要な消費につながっていかない」、4)政策姿勢に安全保障の観点が弱い、などが代表的な批判の声。世界銀行は食料・燃料価格高騰は「ウクライナ危機で3年は続く」との見解を表明。ルール破り(就任発足していない)の韓国代表団と会っている時ではない、との声も強い。

28日、日銀金融政策決定会合結果が発表された。現状維持は織り込み済みと思っていたが、それまでドル円130円寸前で止まった円安が仕掛け的に再燃、会合後に円安が進行、東京株式市場の引け前に024月以来20年ぶりに130円を突破し131円を付けた(昔はGW期間は円高と言われたが)。結局29日のNY外為市場では129.70円の引けだった。

27日のNY市場ではドル指数は5年ぶりの高値。ユーロが173月以来の1.0515ドルに沈んだ。ロシアの対ポーランド、ブルガリアへのガス供給停止で、欧州経済への悲観論が強まっている。同日、ドイツは22年経済成長率見通しを3.6%から2.2%に下方修正した。また、5月の独消費者信頼感指数は4月改定値-15.7から-26.5に悪化した。市場調査GK(ゲーエフカー、ドイツに本拠を置く世界トップクラスのマーケティングリサーチ企業)のコメントは「コロナ制限緩和の独経済の回復期待が打ち砕かれた」。余談だが、独BMWとアウディは26日、中国への鉄道による自動車出荷を停止していることを明らかにした。中国からの独向け輸出も止まっており、対中貿易にヒビが入っている。

3月相場はFOMC前に米株が急落し、通過後に急反騰する展開だった。534日のFOMC前の売り込みは類似しており、通過後に売り方の買い戻し相場になるかどうかが焦点。ただし、今回は59日ロシアの対独戦勝利記念日を控える。ロシアがどういう戦略を示してくるかで左右されよう。3月はロシア苦戦撤退期待があった。

もう一つ、中国のゼロコロナ政策の行方が大きな焦点となる。ロイターは「上海から金融関係者が大量脱出か、都市封鎖で悲鳴」と伝えた。欧米外資系は中国の市場開放策で人員増強したばかり。中国当局は機関投資家に市場安定化や企業融資を促しており、中国株は低位安定すると見られるが、経済混乱には注意を要する。

27日の米株では決算発表のメタ(旧フェイスブック)が時間外で15%急騰。買い戻し相場を象徴すると見られるが、アクティブユーザー数が19.6億人/日と予想(19.5億人)を上回ったことによる。日本企業の決算発表も本格化するので、個別材料重視の展開が想定される。

 

【米景気後退懸念、ナスダック底割れ?】

26日ナスダックは314日の安値を割り込んだ(前日から3.95%安)。前述したようにナスダックは29日の月末値で2011月以来の安値に達しており、昨年11月最高値からの下落率は23.18%。先週の地合い悪化の象徴の一つとして、テスラ株の12%暴落。報道ではツイッター買収資金に充てるためマスク氏がテスラ株を一部売却する懸念と伝えられていたが、実際のところ、テスラは米企業でも有数の中国依存が高い。中国経済懸念が米株に投影され始めていると受け止められる。

米企業の決算では、アナログ半塔体最大手TI(テキサスインスツルメント)の4-6月期見通しが市場予想を下回った。TIは中国ロックダウンの影響で電子製品生産に影響していると説明した。GE株も急落した(一時11%安)。サプライチェーン混乱と原材料コスト急上昇から通期予想が会社予想の下限近くになるとの見解が響いた。デンマーク海運大手マースクは通期業績予想を上方修正する一方、「コンテナ市場が下半期には正常化する可能性がある」との見方を表明した。景況感は依然、流動的で目まぐるしく変化すると思われる。

なお、ドイツ銀が「米経済の深刻なリセッションを警告」したが、前提の米FF金利は5-6%水準に上昇としている(現在利上げ前で0.5%)。前のめりの利上げ観測が誘発している面がある。

26日の米市場の大幅下落の主因として、中国のロックダウント言われているが、この日の中国株は、香港ハンセン指数が小反発したが上海総合指数は続落。ロックダウン懸念は北京に拡大しており、ゼロコロナ政策を巡る攻防が依然重石。中国人民銀行の対策は「弾切れ」と報道されている。中国共産党は先週末にかけ、経済問題を議論する四半期ベースの会議を開くと観測されている(執筆時点では確認していない)。詳細不明ながら、「不動産やインターネット業界への締め付け緩和、コロナ関連の制限措置やロックダウン柔軟対応など」を求める動きがあると伝えられる。国営テレビは「インフラ建設強化へ」(従来路線とあまり変わらない)。どう動くか注目される。

ロシアがポーランド、ブルガリアにガス供給停止、と伝えられ、原油・ガス相場は反発している。ドイツがウクライナに重火器供与に踏み切り、フィンランドとスウェーデンがNATO加盟を進め、英国からは「ロシア兵力25%損耗」などネガティブ情報を流され、ロシアの手詰まり感が強まっている。ヒョッとすると、米株下落はロシア暴走懸念を投影している可能性も考えられる。

市場の落ち着きが前提になるが、展開材料はある。スイスが52日からコロナ入国規制を全面解除する。ワクチン未接種問わず、隔離期間もない。追随が広がるか注目される。

アサヒビールが値上げ表明、「スーパードライ」の値上げは14年ぶりだそうだ。他社も追随するであろうから、ビール売れ行きはチェックポイントになる。

NTTとスカパーJSATが宇宙事業で新会社設立を発表。衛星観測データ送信は現在の1時間から10-20分に短縮するシステムに移行する予定。残念なのは2度延期されているH-3ロケットの打ち上げが未だ発表されない点。先進光学衛星「だいち3号」が加われば、日本の宇宙産業は飛躍的に拡大する可能性がある。

 

【中国ゼロコロナ拡大懸念、とりあえず上海株価大台割れ回避】

上海総合指数は204月のパンデミック第1波で2800ポイント台、19年のトランプ高関税ショック時は2500ポイント台があるので、大底ではないが、25日は5.13%安、先週の安値は2885ポイントだったが、最終的に4月は3000ポイントを維持した。

上海などに続き、北京でも厳格なゼロコロナ規制が敷かれるとの懸念が急速に高まっている。ゼロコロナ策の修正を求める声は中国国内で高まっている。医療関係トップが論文を発表し、人民銀行政策委員は「5%超成長回復に動くべき」と述べた。人民銀行は25日、元安防衛のため外貨預金準備率を1%引き下げ8%とした。また資金繰り難の不動産開発業者への融資緩和を容認した。中国恒大をはじめとする大手不動産開発業者の体制抜本改革(実質破綻処理)は7月メドに進められているが、ゼロコロナ策下では手持ち不動産処分もままならない状況と思われる。

習主席は、「ゼロコロナ」を捨てて新たな政治コストを払う余裕がないと見られている。プーチンもそうだが、独裁者は経済悪化を無視する。悪化がドン詰まれば国民の反乱に発展するが、今のところその兆しは両国に出ていない。元々、今秋の共産党大会での「3期目続投」を阻止しようとする動き(朱鎔基元首相ら)との鬩ぎ合いにある。権力闘争激化は短期的には経済悪化加速要因となる可能性がある。

当面は短期的な足元の変動を見て行くことになろう。25日は「中国鉄鋼工業協会、輸出抑制を要請、国内需要優先」とのニュースがあった。ロシア情勢で海外鉄鋼市況が上昇、トルコなどから割安な中国への発注が急増していると伝えられる。また、都市封鎖で中小の鉄鋼業社の生産が急低下している公算もある。世界への影響が大きいだけに、中国鉄鋼事情は要注意と考えられる。引き続き、中国情勢を睨む展開と考えられる。

GWが始まりましたが、来週も同じように発行します。ただし分量は少なくなると思いますが)

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