News & Topics

News & Topics

2022年05月16日

【Weekly No.335】13日の世界市場は反発、売り方も一時休止

会員様専用レポートです。

このレポートが、皆様の資産運用の一助になれば幸いです。

※期間限定で、パスワード不要で全文お読み頂けます。

■■------------------------------------------------------------------------------------------------■■

  1. 13日の世界市場は反発、売り方も一時休止
  2. インフレ警戒と景気失速警戒が混在、ナスダックの下げ注意
  3. 投資マインドの落ち着き・改善睨む

■■------------------------------------------------------------------------------------------------■■

Weekly 516

【13日の世界市場は反発、売り方も一時休止】

13日の世界の株価は日経平均の678円高をはじめとして、アジア市場はベトナムとインドを除いて全面高、欧州高から最後はNYダウの466ドル高、年初から最も下げがきつかったナスダックは3.82%戻した。この日の株高は東京から始まったわけだが、特筆すべき材料はなく、日本株に関しては“陰の極”(相場用語で相場全体が下落し、これ以上下げることはないだろうと思われる水準、つまり「大底」のこと。これは転換期が近いことも意味する)。に近いからだろう。日経新聞12日付け証券欄のコラム「スクランブル」で、日本株は「陰の極」に近づいていると説明している。他の市場も今が「陰の極」なのか分からないが、売り方も相当疲れてきているのではと推測する。

13日付けブルームバーグによると、同社による最新の月間エコノミスト調査によれば、向こう1年間にリセッション(景気後退)に陥る確率は30%と、2020年以来の高水準。27.5%だった4月からの上昇は小幅だが、つい3カ月前との比較では2倍に高まっているそうだ。

同じくブルームバーグの記事では、リセッションに対する懸念はここ数週間に強まってきている。インフレ率は数十年ぶりの高水準で推移しており、長期にわたって高止まりしそうだ。米金融当局は積極的な利上げでインフレを迅速に抑え込む決意だが、物価上昇を抑えつつリセッションは回避するという難しい課題に直面していると伝えている。

経済指標では、同日発表の5月の米ミシガン大学消費者態度指数(速報値)は2011年以来の低水準となった。根強いインフレ懸念で、消費者の経済に対する見方が悪化したようだ。

速報値は59.1、前月の65.2から低下しており、エコノミスト予想は64だった。 インフレは消費者が最も意識している項目だ。FRBのインフレ退治で金利を上げながら景気を維持していくという難しいかじ取りを市場は注視していくことになる。もし、早い段階でインフレのピークアウト感が出てくれば、利上げによる多少の痛みで景気後退を避けられたら、市場は大歓迎となるだろう。

 

【インフレ警戒と景気失速警戒が混在、ナスダックの下げ注意】

先々週のFOMCと雇用統計発表の後、最も市場が注視していたのは、11日の米4CPI(消費者物価指数)だった。結局4月のCPIは予想上回る前年同月比+8.3%。昨年8月以来、初めて減速(3+8.5%)したものの、市場予想(+8.1%)ほど減速しなかった。市場の受け止め方は、「まだインフレはピークに達していない恐れがある」。FRBの前のめりの利上げ姿勢を促進する要因との見方で、ダドリー前NY連銀総裁は「インフレ抑制には政策金利を5%以上に引き上げる必要がある」と発言。株価は下がるはずだ。

英・欧州株は反応しなかったが、やや驚きの材料は英国立経済社会研究所が発表した経済予測。英経済は第3四半期-0.2%、第4四半期-0.4%のマイナス成長に陥り、年間成長率予想を22+4.8→+3.5%、23+1.3→+0.8%に下方修正した。英国は利上げに一歩早く動いたが、英中銀より厳しい見方。ロシアのウクライナ侵攻が世界経済に与える影響は世界のGDPベースで15000億ドルとの見立て。ただし、インフレ率予想は英中銀の10%超に対し、8.3%でピークアウトするとの予想。

折からWTI原油相場は前日10日の100ドル/バレル割れから105ドル台に再び急反発。ウクライナ経由のロシア産天然ガス供給が25%減(ロシアの侵攻開始以来初)と伝えられた。停止は親ロ派地域で、抜き取り工作とか諸説出ている。また、ロシア政府は独のガスプロム子会社(独政府が国有化宣言している)など31社を制裁対象と発表した。供給制限への警戒が高まった。EUはロシア原油輸入禁止の月末合意に向けて動いているが、ハンガリーなどが拒否、足並みは揃っていない。原油相場の見通しが立たないことがインフレ強弱観の一因と考えられる。

CPI発表の11日の米株はナスダックが-3.18%と下げの中心。この日の同指数は11364だったが、10000~12000ポイントゾーンは208月から10月頃に揉み合ったゾーンで、この水準で下げ止まらないと203月のパンデミック暴落痔の7700ポイント台が視野に入る(13日は11805で週を終えた)。荒っぽい値動きが市場の強弱感を高めている。余談だが、この日(11日)アップルは5.2%安、サウジ・アラムコに時価総額1位の座を抜かれた。

一方、米債利回りは低下した。10年債は2.91%台、2年債はCPI発表直後の2.85%台から2.62%台に低下、30年債は3.0%台。景気後退懸念が強まったものと考えられる。つれてドル高は軟化した。

米ゴールドマンサックスやJPモルガンは、株価の大幅下落で買い好機が生じているとの見方、モルガンスタンレーはまだ十分に成長鈍化を織り込んでいない、ボラティリティー高止まりは1年続くとの見方。強弱観の対立自体が不安定要因。膨張しているハズのオイルマネー還流などの下支え材料を模索する局面と考えられる。

 

 【投資マインドの落ち着き・改善睨む】

昨秋の自民党総裁選の時、1194ポイントあったマザーズ指数が620ポイントに、「岸田来安値更新」。岸田首相が自覚しているかどうか分からないが、歴史的に「新しい資本主義の惨劇」として語られるものと思われる。指数の下は203月の527.30ポイントしか節目はない。割り込むかどうかは分からないが、リスク志向の強い投資家マインド萎縮の代表例となろう。

超強気で知られるソフトバンクGの孫会長は12日の決算説明会で、「今取るべき行動は徹底した守り、手元に現金を厚く積む」と発言。ビジョンファンドの中国利益はすべて消え、マイナス転換だそうで、萎縮が中国要因も加わった複雑構造だと思われる。米株投資を行っていたハズで、米ハイテク大手株波乱に影響していると思われる。

急劇な引き締め転換、荒い値動き、投資マインド急萎縮などは、2000年のネットバブル崩壊時に似ているとの見方がある。日本ではこの年3月から引き締め転換、3~5月にネット関連株のバブル相場が崩壊した。今回と季節感が似ている。この後の記憶は2001年の9.11同時テロ愛国心相場に飛んでしまうので、底入れパターンの連想はイメージできないが、「投資マインドの落ち着き」が一つのテーマとなろう。

今回の損失発生源の一つはロシア・オリガルヒ・マネーと思われるが全容は見えていない。12日付ブルームバーグは「ロシアをデフォルトに追い込む是非、米財務省は近く決断へ」と報じた。25日が一つのヤマ場の様で、ロシアが究極の破綻国家となるかどうかの分岐点と見られる。関連損失が一気に表面化するかどうか注目される。

1日で26兆円超喪失と伝えられた仮想通貨(暗号通貨)市場の動向もポイントになる。詳細は知らないが、仮想通貨連動上場投資商品で99%安が続出していると言う。関連株急落や投資家のリスク株手仕舞いで株式市場に波及している。

不動産関連の損失も燻る。中国不動産開発3位の融創中国が11日事実上のデフォルトとなった。中国恒大や佳兆業集団、碧桂園に比べて債券発行額は小さいとされるが、中国の不動産開発業者の行き詰まりは依然重荷(7月改革説を注視)。

新たに、独不動産大手アドラー・グループの経営危機が伝えられた。関連債務規模は1兆円、ハイレバレッジ(借金過多)で金利上昇が直撃しているようだ。シュローダー、PIMCO、モルガン・スタンレー、ブラックロックなど欧米大手金融機関が巻き込まれるリスクがあると伝えられた。不動産市場の動向にも注意が要る。

一般的に、値動きの沈静化、波乱材料低減、新しい枠組みや流れへの注目度上昇などで投資マインドは徐々に戻る。投資マインド改善には、インフレ観ピークアウトやウクライナ情勢変化、物流混乱の改善度、技術革新などがウォッチポイントと考えられる。

PAGETOP