News & Topics

News & Topics

2022年07月04日

【Weekly No.342】失意の6月末通過、ミニ世界同時株安

会員様専用レポートです。

このレポートが、皆様の資産運用の一助になれば幸いです。

※期間限定で、パスワード不要で全文お読み頂けます。

■■------------------------------------------------------------------------------------------------■■

  1. 失意の6月末通過、ミニ世界同時株安
  2. インフレと企業業績攻防へ
  3. 米経済、冷え込む兆候
  4. ロシア制裁加速、中国はゼロコロナ収束

■■------------------------------------------------------------------------------------------------■■

Weekly 74

【失意の6月末通過、ミニ世界同時株安】

6月末は期待に反し力なく、ミニ世界同時株安となった。アジアでは、台湾-2.72%、韓国-1.91%、習主席訪問の香港も-1.68%、上海のみ+1.10%。欧州は英-1.96%、独-1.69%、仏-1.80%、伊-2.47%。米国はNYダウ-0.82%、ナスダック-1.33%、S&P500指数-0.88%。月間ベース、四半期ベースとも記録的下げ。ハイテク不振から、個人消費や住宅懸念などダメージは広範囲に広がっている。SOX(フィラデルフィア半導体株)指数は2011月以来の安値、LME金属指数(6種)は3月末比23%下落と2008年以来の下落率。代表的銘柄では、四半期でテスラ株-38%、アマゾンー35%。

日本株はTOPIXで、前週比+0.22%で多少踏ん張ったものの、前月比-3.50%、3ヵ月前比-5.20%、6ヵ月前比-5.84%。蛇足だが前年比は-4.02%、保合いが長引いている印象。

前月比の値下がり上位は、海運-15.33%、鉄鋼-9.53%、電気機器-9.30%。6ヵ月前比では、サービス-22.39%、電気機器-21.51%、精密機器-16.98%円安効果は評価されていない観がある。海外投資家は6月第4週現物+先物合計で3237億円の売り越し、第3週の同17156億円からは減少したが、おそらく第5週も売り越し基調だったと思われる。何処で買い越し基調に転換するかが焦点になろう。

30日の東証プライムで、年初来安値更新17銘柄に対し高値更新は95銘柄。買い戻しかも知れないが、新しい流れの芽を内包している可能性がある。高値更新で目立ったのは大成建、大林組、五洋建などの建設株。5月からのIPEF、クアッド、G7とバイデン米大統領主導でインフラ投資計画がまとめられた。ロシア対抗(今のところロシアの送金、決済システムに参加は12か国に止まる)、中国「一帯一路」封じ、中低所得国の破綻ラッシュ防止、世界経済安定化などの狙いがある。世銀は、中低所得国債務は9.3兆ドル(約1260兆円)、破綻予備軍は低所得国40か国、中所得国6か国と報告している。

インフラ投資拡大は日本の建設業界に追い風材料。象徴的に、NATO加盟問題でトルコと合意した。トルコのNATO加盟は早く、キューバ危機時に米軍がトルコに配備したミサイルの撤去が問題になった経緯がある重要国。ロシア側に走らなかったのはNATOの安心材料。トルコと言えば、ボスポラス海峡トンネルを大成建などが行った。やや連想イメージ的だが、持続性を持って新しい投資の流れを構築できるか注目される。

 

【インフレと企業業績攻防へ】

結局、6月末は薄化粧もできずに通過した。(日経平均12月末28791円、3月末27821円)。弱気に底割れを回避したと見れなくもないが。29日の東証空売り比率は53.0%の異常値。この日のドル建て日経平均は197.31ドル、200ドル手前で押し戻された(6月末は193.80ドル)。610日のSQ通過後の13日以降のNT倍率(日経平均/TOPIX)は14.1~14.2倍の狭いレンジで膠着状態。円安で支えられながらも、フル享受できない状態と考えられる。29日は7月以降の相場攻防点になりそうな二つのニュースがあった。

一つはドイツのインフレ率「予想外に鈍化」。29日発表の6CPI(消費者物価指数)は+8.2%、前月の+8.7%、市場予想の+8.8%を下回った。燃料税引き下げ、公共交通機関割引など政策効果が抑制に寄与した。7月からは再生エネ賦課金(日本の場合だと電気料金の10%)が廃止されるので、抑制的に推移する公算がある。一方、スペインのCPI+10.2%、前月の+8.7%から急拡大、1985年以降初の二桁。71日発表のユーロ圏CPIに関心が集っていたが、∔8.6%と過去最高、なお、バルト3国は20%の伸びを記録している。

ECB(欧州中央銀行)の7月利上げ開始方針は変わらないと見られるが、どうやら欧州ではインフレが頭打ちになっているとは思えない。今年前半は「グレートインフレーショントレード」と呼ばれ、やや行き過ぎたインフレ観がベースとなった。しかし、欧州ではしばらくはこうしたインフレ観が継続しそうだ。ただ、ブルームバーグ商品スポット指数は3月以降の最低水準にある。足元で商品ファンドから資金流出が伝えられる。インフレ観の修正スピードが注目点となろう。

もう一つは米株の重石となったJPモルガンによる企業業績見通しの引き下げ。ツイッターやスポティファイなどインターネット企業26社が対象。このところ、アマゾン、エヌビディア、アルファベット(グーグル)などの見通し引き下げに追随した格好。アナリスト楽観、投資家悲観的と言われたが、アナリストの方が歩み寄って来た。「米企業は価格転嫁を上手くやってきたが、それが続くか自信が持てなくなっている」とコメントされている。

米企業の4-6月決算発表は7月中旬から始まる。日本企業は下旬から本格化する。月替わりで企業業績に神経質な展開が想定される。

 

【米経済、冷え込む兆候】

28日のアジア市場は台湾除き堅調。欧州株はマチマチ。それを受け朝高で始まった米株は6CB(コンファレンス・ボード)消費者信頼感指数の悪化を受けて急落に転じた。指数は98.7,前月比4.5ポイント低下、市場予想100.4も下回った。とりわけ期待指数が66.4(前月73.7)と大きく落ち込み、2013年以来の低水準。向こう1年間の期待インフレ率は8.0%、前月の7.5%から上昇した。CBの解説者は「期待指数が80を大きく下回っていることは、経済成長が下半期に鈍化、年末までにリセッション(景気後退)入りするリスクが増大していることを示す」と述べた。

また、1日には6月のISM製造業景況感指数が発表された。予想は54.3だったが、結果は53.0206月以来の低水準。内容を見ると、新規受注が景気の拡大と縮小の節目である50を下回り49.1だった。前月は55.150を下回ったのは205月以来となる。雇用指数も47.3と前月の49.6から低下している。こうしたデータを見る限り、FRBの積極的な引締めで米景気が冷え込みつつあることがわかってきた。

この日のISM製造業景況感指数を受けて10年債利回りは一時前日比―0.22%の2.79%まで下がった。結局引けは—0.13%の2.88%と1か月ぶりの低水準。

今週月曜日の4日は米独立記念日で米市場は休場となるが、重要な経済イベントが目白押し。まず6日は6月のISM非製造業景況感指数、同日6月のFOMCの議事録公表、7日は民間のADP雇用統計、8日は政府発表の雇用統計。米景況感の現状を知る手がかりとなる1週間のようだ。

 

【ロシア制裁加速、中国はゼロコロナ収束】

G7サミット、NATO首脳会議(28-30日)と欧州で重要会議が開催された。会議を前に記者会見したストルテンベルグNATO事務総長は、「即応部隊を4万人規模から30万人をはるかに超える水準に増強」を表明した。今後10年の行動指針を定める「戦略概念」で、「ロシアは最大で直接的な脅威」、「中国は秩序を揺るがしかねない脅威」と明記される。G7ではウクライナ支援を確約、ロシア制裁強化を表明した。

折から支払猶予30日の期限を迎えたロシア国債について、格付け会社ムーディーズが「デフォルト認定」(実際は全格付けを取り下げている)。ロシアの海外資金調達は事実上困難な状態が続くと思われ、既保有分の処理が続くと見られる。米国はロシア輸入品に対する関税率を35%に引き上げた。ウォッカ、キャビア、ダイヤモンド、金は輸入禁止措置となっている。

既に海上保険が使えず輸送能力低下、部品などが調達できず生産能力低下の方向にあると考えられる。ロシアは既に貿易相手・石油輸出先をBRICsにシフトさせる意向を表明しているが、何処までカバーできるか不透明。制裁強化に合わせ、既にモスクワ事務所を閉鎖していたホテル経営IHG(インターコンチネンタル)がロシア事業撤退を表明した。様子見で遅れていると言われる日本企業も撤退が本格化する公算がある。

一方、中国株は30日まで連騰、3月水準に戻して来た。上海市トップの李強・市共産党書記が「(ゼロコロナ)勝利宣言」を行った。順次、経済活動が復活すると期待されている。  中国株懸念の後退が当面の戻り相場の一因になると受け止められる。

PAGETOP